メロッツォ・ダ・フォルリ(読み)めろっつぉだふぉるり(英語表記)Melozzo da Forlì

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

メロッツォ・ダ・フォルリ
Melozzo da Forlì

[生]1438. ラベンナ近郊フォルリ
[没]1494.11.8 フォルリ
イタリアのウンブリア派画家本名 Melozzo deli Ambrogi。ピエロ・デラ・フランチェスカに師事し,またアンドレア・マンテーニャの影響もみられる。ロレト,ウルビノ,ローマなどで活躍。師の遠近法をさらに進めて短縮法による遠近法的効果を駆使し,それに厳しい写実技法を併用して独特の画風を樹立した。作品はバチカン美術館にある『シクストゥス4世プラティナ謁見図』 (1475~77) ,ロレト聖堂聖具室の天井画 (1478) ,サンティ・アポストリ聖堂穹窿の壁画 (1480) などで,いずれも師の画業をよく継承し進展させており,ウンブリア派絵画の飛躍に大きく寄与した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

メロッツォ・ダ・フォルリ
めろっつぉだふぉるり
Melozzo da Forlì
(1438―1494)

イタリア、ルネサンス期の画家。本名はメロッツォ・デリ・アンブロージMelozzo degli Ambrogiで、フォルリに生まれ、同地で没した。初めピエロ・デッラ・フランチェスカのもとで修業したと思われ、師の様式を受け継ぐとともに、より動感にあふれる画風を確立した。バチカン美術館の『シクストゥス4世とプラティナ』(1477ころ)は、遠近法に基づく空間構成とフランドル派的な写実とが融合した代表作である。ローマのサンティ・アポストリ聖堂のアプス(後陣)に描いた天井画(1477~81ころ。その断片が現在クィリナーレ宮とバチカン美術館にある)や、ロレートのサンタ・カーサ聖堂の聖マルコ聖器室の天井画(1484ころ)では、マンテーニャの影響と思われる極端な仰視法を駆使し、みごとな幻覚的表現に達している。このほかウルビーノ、フォルリでも活躍した。

[篠塚二三男]

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