ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メートランド」の意味・わかりやすい解説
メートランド
Maitland, Frederic William
[没]1906.12.19. カナリア諸島,ラスパルマス
イギリスの法史学者,歴史家。イートン校,ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ出身。 1876年弁護士となり,実務にたずさわったのち,歴史研究に進み,84年ケンブリッジ大学助教授,88年同大学教授。法史の科学的研究に努め,87年セルデン協会を設立。多数の著作により,イギリス法制史,中世史の発達に寄与した。主著"Bracton's Note-Book" (1887) ,『イギリス法制史』 The History of English Law before the Time of Edward I (1巻,95,2巻,98,F.ポロックと共著) ,"Domesday Book and Beyond" (97) ,『イギリス国制史』 The Constitutional History of England (1908) 。
メートランド
Maitland, John Maitland, 1st Lord
[没]1595.10.3. サールステーン
スコットランドの政治家。フルネーム John Maitland, 1st Lord Maitland of Thirlestane。1567年国璽尚書になり,女王メアリー・スチュアートを支持して,一時投獄。1583年ジェームズ6世(1世)の枢密顧問官,1586年主席顧問,1587年大法官になり,王の側近筆頭として,イギリスとの合同,国教会との妥協政策を推進。1590年サールステーン男爵に叙された。メートランドの政策は貴族の反感を買い,1592年一時失脚したが,死去するまで大法官の職にとどまった。ウィリアム・メートランドの弟。
メートランド
Maitland, Samuel Roffey
[没]1866
イギリス国教会の教会史家。非国教徒の法律家であったが,国教徒に改宗し,グロスターのクライストチャーチの牧師となった (1823~27) 。教会史研究家としてすぐれた業績を上げた。『ブリティッシュ・マガジン』の編集者。主著"Facts and Documents Illustrative of the History,Doctrine,and Rites of the Ancient Albigenses and Waldenses" (32) ,"Essays on Subjects Connected with the Reformation in England" (49) 。
メートランド
Maitland, William
[没]1573.6.9? リース
スコットランドの政治家。 J.メートランドの兄。 1561年フランスから帰国したメアリー・スチュアートの国務卿となり,以後イングランド王位を彼女のものとするために画策。メアリーのイングランドへの逃亡後もスコットランドにとどまり,69年彼女と4代ノーフォーク (公)との結婚を策したが不成功。 70年メアリー支持派を率いて内乱を起し,73年までエディンバラ城を確保したが,降伏,獄死した。
メートランド
Maitland
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報