モダンバレエ(その他表記)modern ballet

デジタル大辞泉 「モダンバレエ」の意味・読み・例文・類語

モダン‐バレエ(modern ballet)

伝統的な古典バレエに対して、新しい感覚による個性的な表現を追求するバレエ。20世紀初頭、フォーキンによって確立された。

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精選版 日本国語大辞典 「モダンバレエ」の意味・読み・例文・類語

モダン‐バレエ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] modern ballet ) 一九世紀の古典バレエに対し、二〇世紀にはいって活躍したディアギレフロシアバレエ団にみられるような、絵画的・視覚的傾向の強い、現代音楽と結びついたバレエ。また、創作バレエ。近代バレエ・現代バレエとも。
    1. [初出の実例]「この着物たるや〈略〉現代日本の着物とは言えず、むしろ創造的なモダンバレーかアングラ劇の衣裳といったほうがよく」(出典:がらくた博物館(1975)〈大庭みな子〉よろず修繕屋の妻)

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改訂新版 世界大百科事典 「モダンバレエ」の意味・わかりやすい解説

モダン・バレエ
modern ballet

クラシック・バレエに対して,その基本的要素であるマイムやグラン・パ・ド・ドゥなどの約束ごとを排して自由に創作されたものをいう。クラシック・バレエでは女性の主役が中心だったが,モダン・バレエではそれが対等に行われ,男性を中心にしたものもつくられた。1909年以降のディアギレフのバレエ・リュッスにおいて顕著にその傾向があらわれ,その先鞭をつけたのはM.フォーキンV.ニジンスキーの作品である。バレエ・リュッス後期に登場したG.バランチンS.リファールはその後アメリカやフランスで新しい思考によるバレエをつくった。その他,モダン・バレエを担った振付師A.チューダーJ.ロビンズらがあり,また近年ではR.プティの《こうもり》(1979),M.ベジャールの森下洋子主演による《ライト》(1981)などが日本でも話題を呼んだ。
モダン・ダンス
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モダンバレエ」の意味・わかりやすい解説

モダン・バレエ
modern ballet

形式的なクラシック・バレエに対し,自由な発想によって行われるバレエをいう。劇的な展開や幻想性を排し,抽象的な動きによって構成される。ただし,古典技法を前提としており,その意味ではモダン・ダンスのようにクラシック・バレエと対立するものではない。 1909年パリで旗揚げしたバレエ・リュスの M.フォーキンらの成功によってその土台が築かれた。その後,同バレエ団出身の G.バランシン,S.リファールらがその流れを受継ぎ,バランシンはアメリカでバレエを発展させ,リファールはフランス・バレエの復興をなしとげた。そのほか,心理的バレエを確立したイギリスの A.チューダー,ミュージカル振付でも知られる J.ロビンズや,フランスの R.プチ,ベルギーなどで活躍する M.ベジャールらがモダン・バレエを発展させた代表的存在といえる。

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知恵蔵 「モダンバレエ」の解説

モダン・バレエ

大雑把な呼称だが、19世紀のバレエを古典バレエと呼ぶのに対し、20世紀に新たに生まれたバレエを一般にモダン・バレエと呼ぶ。特に、抽象バレエでもドラマティック・バレエでもない、バレエ・リュスとモダン・ダンスの影響を受けた潮流を指すことが多い。その特徴は、愛・憎しみ・欲望・嫉妬・死など、人間の深層に潜むものを表現しようとするところである。代表的な振付家はモーリス・ベジャールとローラン・プティ。日本では従来モダン・ダンスがモダン・バレエと呼ばれることもあったため、いささか呼称が混乱している。ただし、ある種のジャンルのダンスを「ダンス」と呼ぶか「バレエ」と呼ぶかについては、厳密な境界線はない。一般的には、作品がどうであれ、クラシック・バレエの訓練法を基礎にしているものをバレエと呼ぶ。

(鈴木晶 舞踊評論家 / 2007年)

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世界大百科事典(旧版)内のモダンバレエの言及

【バレエ】より

…たとえば歴史的バレエ,民族的バレエといった分け方であるが,そういう種類分けはさして重要でない。しかし,バレエそれ自身の構成方法からくるクラシック・バレエとモダン・バレエとの区別は重要である。クラシック・バレエとは,そのバレエの構成法がクラシックな方法により,そしてそこに用いられるダンスは同じくクラシックなものによるものをいう。…

※「モダンバレエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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