バランチン(読み)ばらんちん(英語表記)George Balanchine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バランチン」の意味・わかりやすい解説

バランチン
ばらんちん
George Balanchine
(1904―1983)

ロシア出身のアメリカの舞踊家、振付者。ペテルブルグに生まれる。1921年ペテルブルグの国立舞踊学校を卒業。革命期の振付者ゴレイゾフスキーKasyan Goleizovsky(1892―1970)に影響され、新しいバレエの創作に取り組み、1924年自身の小さなバレエ団でドイツなどを巡演した。同年、ディアギレフのロシア・バレエ団に入り、同団後期を代表する振付者となり、『アポロ』(1928)、『放蕩(ほうとう)息子』(1929)を上演。1933年、カーステーンLincoln Kirstein(1907―1996)に招かれて渡米、翌年アメリカン・バレエ学校を創設、この流れが1948年発足のニューヨーク・シティ・バレエ団となる。彼は同団の芸術監督として、『セレナード』『コンチェルト・バロッコ』『アゴン』『四つの気分』など、次々に新古典的なアブストラクト・バレエの秀作を発表し、アメリカのバレエを世界的な地位に引き上げた。ミュージカルや映画作品の振付けもした。

市川 雅]

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