モミジアオイ(読み)もみじあおい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モミジアオイ」の意味・わかりやすい解説

モミジアオイ
もみじあおい / 紅葉葵
[学] Hibiscus coccineus Walt.

アオイ科(APG分類:アオイ科)ヒビスカス属(フヨウ属)の耐寒性多年草。コウショッキ(紅蜀葵)ともいう。高さ約2メートルに達する。葉は大形で、モミジ状の切れ込みがある。8~9月、径約20センチメートルでアメリカフヨウに似た赤色の5弁花を開く。朝開いて夕方閉じる一日花で、毎日新しい花を開く。アメリカのジョージア、フロリダ地方原産で、花壇に植えられる。非常にじょうぶで耐暑性、耐寒性もあり、日当り風通しのよい所なら放任しても毎年開花する。大株になるので、株間は1メートルは必要である。冬季は地上部が枯れ込むので、地際(じぎわ)で刈り取るとよい。繁殖は実生(みしょう)もできるが、開花が2年目からになるので、一般には株分けがよい。株分けは春、発芽前に行う。近年モミジアオイとアメリカフヨウの種間交配種ができ、園芸品種として観賞される。

[金子勝巳 2020年4月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モミジアオイ」の意味・わかりやすい解説

モミジアオイ(紅葉葵)
モミジアオイ
Hibiscus coccineus; scarlet rose-mallow

アオイ科の多年草。北アメリカ南東部の低湿地の原産で,明治初期に日本に伝えられ,庭園などで観賞用に栽培される。全株無毛で,茎は数本集って直立し高さ1~2mになる。葉は互生し長い柄をもち,モミジのように掌状に深裂して3~5個の裂片に分れる。裂片は細長くまばらに鋸歯がある。夏に,葉腋に柄のある赤色の大きな花を横向きに開く。萼は5深裂し花弁は5枚で倒卵形,先はとがり基部で互いにくっつく。花弁の基部が細まり,隣接する花弁の間が大きく開くのが特徴である。花が平開するため,中央から出るずい柱 (多数のおしべと1本のめしべが癒着して円柱をつくったもの) が直立するのが目立ち,その頂部はめしべの花柱で5本に分れている。コウショクキ (紅蜀葵) と呼ばれることもあるが,トロロアオイの漢名の黄蜀葵とまぎらわしい。

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