改訂新版 世界大百科事典 「モモイロインコ」の意味・わかりやすい解説
モモイロインコ (桃色鸚哥)
rose cockatoo
galah
Cacatua roseicapilla
オウム目オウム科の鳥。全長約36cm。上面が灰色で,下面が美しい桃色をした中型のオウム。インコの名がついているが,オウム亜科オウム属に属する。オーストラリアの樹木がまばらに生えた草原や疎林にすみ,20~40羽くらいの群れで生活する。群れは共同のねぐら場所をもち,毎日ねぐら場所と採食場所を往復し,地上で草の種子を採食する。繁殖期にはつがいにわかれ,互いに近くの樹洞で繁殖するが,つがいは巣穴のある木を他のつがいから守る。巣穴の底にユーカリの木の葉などを敷き,1腹2~6個の卵を産む。雌雄交替で約1ヵ月抱卵し,約1ヵ月半で雛が巣立つ。巣立った雛は巣のある木から約2kmくらい離れた場所へ連れていかれ,他の雛といっしょにされる。この雛の群れは100羽くらいになるが,親鳥は食物をとって戻ると,自分の雛を見つけ出して給餌する。雛も親鳥の声を識別していて,親鳥が戻るとそのそばに集まって給餌を受ける。オウム類の中ではいちばんふつうの飼鳥で,じょうぶで飼いやすく,雛から育てたものは物まねもじょうずである。
→オウム
執筆者:齋藤 隆史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報