モリツバメ(読み)もりつばめ(英語表記)wood-swallow

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モリツバメ」の意味・わかりやすい解説

モリツバメ
Artamus leucorynchus; white-breasted woodswallow

スズメ目モリツバメ科。名とは異なり,ツバメに類縁が近いわけではない。全長 18cm。腰を除く背面頭部はくすんだ灰黒色,腰と胸以下の下面は白い。はじょうぶで先がとがる。アンダマン諸島からスマトラ島東南アジアの島,ニューギニア島オーストラリアニューカレドニア島フィジー諸島に分布する。日本では 1973年に八重山諸島西表島迷鳥が観察された。ツバメのように輪を描いて低空を飛び回り,空中昆虫類を巧みに捕えて食べる。巣は木のくぼみなどに枝などを積んでつくる。なお,モリツバメ科 Artamidaeインドから東南アジア,オーストラリア,ポリネシアにかけて分布し,1属 11種からなる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モリツバメ」の意味・わかりやすい解説

モリツバメ
もりつばめ / 森燕
wood-swallow
wood-shrike

鳥綱スズメ目モリツバメ科に属する鳥の総称。この科Artamidaeの仲間は、南アジアからオーストラリアに分布し、空中採餌(さいじ)性で、十数種がある。全長14~20センチメートル。体形はツバメに似ているが、ツバメより尾が短くて太っている。羽色は黒、ねずみ色、褐色、白などのじみな鳥である。数羽の小群で生活し、樹上に椀(わん)状の巣をつくって、雌雄育雛(いくすう)する。いくつもの巣が近接して集団でみられるのが普通である。

浦本昌紀

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