ヤコポーネ・ダ・トーディ(その他表記)Jacopone da Todi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヤコポーネ・ダ・トーディ
Jacopone da Todi

[生]1230頃. トーディ
[没]1306.12.25. コラッツォーネ
13世紀イタリアの宗教詩人。旧名 Jacopo dei Benedetti。妻の急死を機に 1268年頃,それまでの世俗的生活を捨てて流浪の身となり,1278年にフランシスコ修道会修道士となる。宗門の争いに巻き込まれて教皇ボニファチウス8世により破門,1298~1303年投獄される。ラテン語詩『悲しみの御母は立ちませり』Stabat mater dolorosa(→スタバト・マーテル・ドロローサ)の作者といわれ,『聖母の涙』Pianto della Madonnaのほか,ラウダ laudaと呼ばれるイタリア語の宗教的賛歌を多数つくった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヤコポーネ・ダ・トーディ
やこぽーねだとーでぃ
Jacopone da Todi
(1230/36―1306)

キリスト教題材にした民衆詩「ラウデ」(賛歌)の作者として知られるイタリアの詩人。貴族の家に生まれる。30代も後半になって妻の突然の死を契機に、それまでの放縦な世俗の生活を捨て、10年間の改悛(かいしゅん)と瞑想(めいそう)ののち、聖フランチェスコ派の戒律厳しい聖霊派に所属した。教会の腐敗を攻撃し、時の法王ボニファティウス8世を相手に闘って、破門と4年余の投獄にあうが、信念を貫き通した。釈放後は生地に近い修道院に入り、そこで死んだ。彼の作とされる100余りの「ラウデ」のなかでも『聖母の嘆き』は傑作とされている。

[古賀弘人]

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