ヤマエンゴサク(読み)やまえんごさく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマエンゴサク」の意味・わかりやすい解説

ヤマエンゴサク
やまえんごさく / 山延胡索
[学] Corydalis lineariloba Sieb. et Zucc.

ケシ科(APG分類:ケシ科)の多年草。エゾエンゴサクジロボウエンゴサク近縁である。地下に径約1センチメートルの塊茎があり、1本の茎を出す。葉は茎に2枚互生し、2~3回3出複葉、小葉は線形または卵円形。茎の先端総状花序をつくり、淡紅紫色花を数個開く。山地の林の道端に生え、本州、九州、および朝鮮半島、中国東北部に広く分布する。

[寺林 進 2020年2月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤマエンゴサク」の意味・わかりやすい解説

ヤマエンゴサク(山延胡索)
ヤマエンゴサク
Corydalis lineariloba

ケシ科の多年草。東アジアの温帯に広く分布する。本州や九州の山林路傍に生える。地下の塊茎は球形,径 1cmぐらいでここから地上に1~2本の茎を出す。茎は高さ 10~20cm,最下位の葉は鱗片葉となる。茎葉は2個で有柄,2回3出複葉で小葉はササの葉のように細い線形をなし下面は白っぽい。このためササエンゴサクの名もある。4~5月に,総状花序を頂生し,淡紅紫色の花をつける。包葉は菱状卵形で先は3~5裂する。広披針形蒴果を生じる。

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