デジタル大辞泉
「やれ」の意味・読み・例文・類語
やれ[感]
[感]
1 困難や不安が解消したときに発する語。やれやれ。「やれ、助かった」
2 喜びを感じたり、意外な幸運を知ったりしたときに発する語。「やれ、うれしや」
3 呼びかけるとき、注意を引き起こすときに発する語。やあ。おい。「やれ待て」
4 困難や失敗に気づいたときに発する語。やあ。おや。「やれ、またしくじった」
5 他人の不幸や不運を知り同情するときに発する語。まあ。やあ。ほんとに。「やれ気の毒な」
6 (「やれ…だ…だ」などの形で)同類の事柄を二つ取り立てて述べ、同じようなことが頻繁に言われたり行われたりするときにいう語。「やれ敷金だ礼金だと、いろいろ金がかかる」「やれ節句だやれ誕生日だと、お祝いが重なる」
7 民謡などの囃子詞。
やれ[並助]
[並助]《並立助詞「やら」の音変化か。近世初期の語》二つ以上の事柄を並列する意を表す。…とか…とか。
「和泉国には何ともをかしき名字がある。野尻の―、草部の―と」〈咄・醒睡笑・七〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
やれ
〘感動〙
① 人を呼ぶ時にいう
ことば。特に、
目下の者を呼ぶ時に用いる。おい。
※
平家(13C前)八「木曾牛飼とは
えいはで、やれ子牛こでい、やれこうしこでいといひければ」
② 驚いた時、あきれた時などに思わず発することば。
※雑談集(1305)二「ふとわらひたりければ、やれ人にてありけりとて、河になげ入れてけり」
③ 相手に指示して、注意を喚起したり促したりする時に発する語。それ。
※
史記抄(1477)一七「あけくのはてを見よやれと、
後世の人を戒むるそ」
④ ほっとした時に思わず口からでることば。やれやれ。
※
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「待に待た卒業も首尾よく済だのでヤレ嬉しやといふ間もなく」
⑤ (「やれ…やれ…」などの形で) 同類の事柄を二つ以上取り立てて述べ、同じようなことが頻繁に言われたり行なわれたりするときにいう語。
※
滑稽本・
浮世風呂(1809‐13)前「ヤレ芸者の、ソレたいこもちの、ヤ何だはかだはと」
※歌謡・閑吟集(1518)「やれ、おもしろや、
えん、京には車、やれ、淀に舟、えん、桂の里の鵜飼舟よ」
やれ
〘副助〙 (「やら」の変化した語か)
事物を並列するのに用いる。
※天草本伊曾保(1593)狼と、子を持った女の事「ミヲ corosǒuayare(コロサウワヤレ)、カワヲ ハガウワ ナドト ユウカト」
やれ
〘終助〙 聞き手への呼びかけ、軽い命令を表わす。…よ。
※虎明本狂言・
張蛸(室町末‐近世初)「どじゃうの
すしをはうばって、
もろはくをのめやれ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報