日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユースホステル」の意味・わかりやすい解説
ユースホステル
ゆーすほすてる
youth hostel
青少年が健康な野外活動をするために簡易質素な宿泊施設としてのホステルを活動拠点として、積極的に自然に親しむ運動をいい、狭義にはその宿泊施設をよぶ。20世紀初頭にウォルフ・マイネンWolf Meyenenによって始められたワンダーフォーゲル運動と結合して、1909年リヒアルト・シルマンRichard ShirmannがユーゲントヘアベルゲJugendherberge(青少年宿泊所)の建設を始めたことから世界に広まり、1998年現在で56か国にユースホステル協会がある。日本では1951年(昭和26)に日本ユースホステル協会が結成され、国立ユースホステルセンター(滋賀県大津市)をはじめ、55年には総施設数557、年間宿泊者数221万0094人を数えたが、その後利用者は減少、2000年(平成12)現在、総施設数349(国営1、公営35、協会直営39、契約274)、年間宿泊者数78万6000人(日本人67万8000人、外国人10万8000人)となっている。
ユースホステルには旅行ホステルと休暇ホステルがあり、後者はさらに、夏季、冬季、週末、都市など、利用形態によって分けられる。ホステリングは、ホスピタリティhospitality(親切心)を基調にした奉仕と友愛の精神で、自主的に協同生活を行いながら秩序と規律を守り、国際性をもった活動をしていくことが中心である。ホステル内の活動はすべてセルフサービスで、同じ日に同じホステルに泊まった者は、ペアレンツとよばれる管理者を中心にしてミーティングをしたりレクリエーションをしたりして交流を深める。ユースホステルを利用するには、あらかじめ日本ユースホステル協会に申し込み、登録を受け、その指導を受けるようにするとよい。
[徳久球雄]