ヨーロッパ経済委員会(読み)よーろっぱけいざいいいんかい(英語表記)Economic Commission for Europe

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨーロッパ経済委員会」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ経済委員会
よーろっぱけいざいいいんかい
Economic Commission for Europe

国連経済社会理事会の下部機構の一つとして、1947年3月28日、同理事会決議36に基づいて設立された地域委員会。略称ECE加盟国間および他の国々と、貿易、科学、技術、環境保護などの分野における政府間協力関係の強化・改善を行うこと、ならびに市場経済への移行を図っている諸国への支援を行うことを目的としている。2017年時点の加盟国は、ヨーロッパを中心にアメリカ、カナダを含む56か国である。ECEの本部スイスジュネーブに置かれ、総会のほかに、農業、エネルギー、内陸運輸、木材、環境・水問題、貿易拡大、人口問題などの委員会がある。委員会においては、貿易関連文書の標準化、環境汚染基準、建築基準、車両構造基準の作成および統一化問題を中心に、専門家による実務的問題の審議が行われ、加盟国に対し専門的な情報、統計などの提供が行われている。

横川 新]

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百科事典マイペディア 「ヨーロッパ経済委員会」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ経済委員会【ヨーロッパけいざいいいんかい】

国際連合経済社会理事会の下部機関で地域経済委員会の一つ。 Economic Commission for Europe,略称ECE。1947年設置。ヨーロッパ地域の経済関係を強化するため,情報提供,協力方法立案等を行う。東欧を含む全ヨーロッパ的な唯一の経済組織であり,東西貿易討議の場として注目され,また世界の先進国大半が参加している点でその役割は大きい。加盟国はヨーロッパおよび米国トルコキプロス,旧ソ連諸国などを加えた51ヵ国。国連非加盟のスイスも加盟している。最高機関は総会。本部はジュネーブ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨーロッパ経済委員会」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ経済委員会
ヨーロッパけいざいいいんかい
Economic Commission for Europe; UNECE

国際連合の経済社会理事会の下部機関である地域経済委員会の一つ。1947年に設立され,事務局はスイスのジュネーブに所在。ヨーロッパ諸国にアメリカ合衆国,カナダを加えて発足し,当初は第2次世界大戦後の復興を目的とした。冷戦期にも東西間の協調に一定の役割を果たし,各種の国際協力における比重を高めた。国境を越える大気汚染防止条約など多数の欧州条約が成立している。1991年にイスラエルの加盟が認められたほか,ソビエト連邦の崩壊,ユーゴスラビアの分裂などもあって,加盟国は 2012年現在 56。

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