日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラ・アルプ」の意味・わかりやすい解説
ラ・アルプ
らあるぷ
Frédéric César de La Harpe
(1754―1838)
スイスの政治家。ロシアのエカチェリーナ2世に孫のアレクサンドル(1世)の教育をゆだねられた。フランス革命に共鳴し、ベルンに支配されていた故郷ボーを独立州にさせるために、故国スイスへの干渉をフランスの五執政内閣に求めた。フランスがスイスへ侵入してから故郷に戻り、ヘルベティア共和国を樹立させ、閣僚となった(1798~1800)。閣僚を追われたのち、政敵の策謀によりナポレオン1世に対する謀反の罪を着せられ、フランスに逃亡した。1814年まで隠棲(いんせい)していたが、ウィーン会議ではボーの自立とスイスの利益を擁護するために活躍した。1830年には七月革命の影響下に自由党を率いてボー州の民主化を図った。
[森田安一]