インド北西部,ラージャスターン州中部の州都でインド有数の観光都市。人口232万4319(2001)。デリーからアラビア海に至る交通幹線上の要地を占める。1818-1949年までジャイプル藩王国の主都であった。同藩王国は12世紀のラージプート王国にさかのぼる歴史をもち,1600年以来北方8kmのアンベールを都としていたが,ジャイ・シング2世が1728年にここに新都を建設した。地名は彼にちなみ,〈ジャイの町〉を意味する。旧市には,インドの歴史的都市としては珍しく碁盤目形に幅広い道路が走り,七つの市門をもつ石造の市壁がまわりを囲んでいる。市壁も主要道路に沿う建築物も赤砂岩からなるためピンク・シティの名がある。旧市の中央部には18世紀の天文台や,チャンドラ・マハル(月光の宮殿)とよばれる白大理石の壮大な宮殿,ハワー・マハル(風の宮殿)が並ぶ。旧市の南と東には新市が広がり,州庁舎などの近代的な建造物や公園がある。インドの伝統工業の中心地で,宝石の研磨加工,金銀・象牙細工,大理石の貴石象嵌,じゅうたん,更紗などは名高い。近代工業では繊維,電機,薬品,ガラスなどが立地する。小麦,雑穀,綿花などの農産物のほか,石材,岩塩などを集散する。
執筆者:応地 利明
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インド北西部、ラージャスターン州の州都。人口232万4319(2001)。鉄道、道路など交通条件に恵まれた商工業都市で、工業は金銀細工業、綿織物業などの多岐にわたる。ラージャスターン州の有名な伝統工芸品である宝石、エナメル細工、モスリン織、大理石、象牙(ぞうげ)の彫刻品などの主産地でもある。周辺の肥沃(ひよく)な沖積平野では、バジェラ、大麦、豆類のほか綿花などが栽培される。1727年ジャイプル藩王国の王ジャイ・シン2世により建設された計画都市で、旧市街は城壁で取り囲まれている。碁盤割りされた街路にはバラ色の建物が配され、ピンク・シティの別称がある。旧市内には遺跡が多く、18世紀に建てられた宮殿、ジャイ・シン2世のつくった野外天文台のほか、5階建てのハワ・マハール(風の宮殿)がある。
[中里亜夫]
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インド北西部にあるラージャスターン州の州都。1727年にアンベール王国のジャイ・スィング2世が建設し,アンベールから遷都した。碁盤の目のような街並をもつ。この王国は,イギリス植民地期にはジャイプル藩王国として存続するが,インド独立後,他の藩王国と統合されてラージャスターン州となった。
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