ジャイプル(読み)じゃいぷる(英語表記)Jaipur

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャイプル」の意味・わかりやすい解説

ジャイプル
Jaipur

インド北西部,ラージャスターン州東部の州都。1727年にラージプートの王サワイ・ジャイ・シン2世によって建設され,1947年までジャイプル藩王国(→インド藩王国)の首都であった。家々の壁をピンク色で統一した計画都市として有名で,俗にピンクシティーとも呼ばれる。旧市街は城塞で囲まれ,碁盤目状に区画された街なかに,統一されたファサードの建物が立ち並ぶ。旧市街には 18世紀に建設された野外の天文観測所ジャンタル・マンタル(→ジャイプルの観測所。2010世界遺産)のほか,王宮(シティー・パレス),ハワマハル(風の宮殿),ナハーガー・フォート,ヒンドゥー寺院などがあり,2019年世界遺産の文化遺産に登録された。航空・陸上交通の要衝で,州の商工業,金融の中心地。機械,金属,ガラスなどの工業や手織物,宝石細工などの手工芸が盛ん。人口 304万6163(2011)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャイプル」の意味・わかりやすい解説

ジャイプル
じゃいぷる
Jaipur

インド北西部、ラージャスターン州の州都。人口232万4319(2001)。鉄道、道路など交通条件に恵まれた商工業都市で、工業は金銀細工業、綿織物業などの多岐にわたる。ラージャスターン州の有名な伝統工芸品である宝石、エナメル細工、モスリン織、大理石象牙(ぞうげ)の彫刻品などの主産地でもある。周辺の肥沃(ひよく)な沖積平野では、バジェラ、大麦、豆類のほか綿花などが栽培される。1727年ジャイプル藩王国の王ジャイ・シン2世により建設された計画都市で、旧市街は城壁で取り囲まれている。碁盤割りされた街路にはバラ色の建物が配され、ピンク・シティの別称がある。旧市内には遺跡が多く、18世紀に建てられた宮殿、ジャイ・シン2世のつくった野外天文台のほか、5階建てのハワ・マハール(風の宮殿)がある。

[中里亜夫]

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