リウマチ性多発筋痛症(読み)りうまちせいたはつきんつうしょう(その他表記)Polymyalgia Rheumatica

家庭医学館 「リウマチ性多発筋痛症」の解説

りうまちせいたはつきんつうしょう【リウマチ性多発筋痛症 Polymyalgia Rheumatica】

[どんな病気か]
 高齢者によくみられる、肩、腰、四肢(しし)(手足)の近位筋(きんいきん)(体幹に近い筋肉)の痛みとこわばりを特徴とする病気です。
 肩などの大きな関節が痛むこともあります。また、微熱や、体重減少をともなうこともあります。
 患者さんの数%に失明をきたす側頭動脈炎(そくとうどうみゃくえん)(コラム「側頭動脈炎」)の合併がみられます。
 側頭動脈は、側頭部から目や顔面にのびる動脈です。ここに炎症が生じると、腫(は)れた動脈がウネウネと浮いてみえ、押さえると痛みます。高熱や頭痛(ずつう)のほか、目がかすみ、ものが二重にみえ、失明したりします。
 血管炎の類縁疾患(るいえんしっかん)と考えられていますが、原因はまだわかっていません。
[検査と診断]
 血液を検査すると、ふつうの炎症でもおこる赤血球沈降速度(せっけっきゅうちんこうそくど)(赤沈(せきちん))の亢進(こうしん)などがみられます。
 しかし、リウマトイド(リウマチ因子は陰性で、筋肉の傷害があれば血中に出てくるはずの酵素(こうそ)の値の上昇もみられません。
 このリウマチ性多発筋痛症にしかみられないという検査結果がないため、診断では、除外診断といって、悪性腫瘍(あくせいしゅよう)にともなう炎症や筋肉の痛みなど、類似した病気を一つひとつ除外していくことが重要です。
[治療]
 ステロイド副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)薬が、非常によく効きますが、まれに症状が再燃することもあります。
 少量のステロイド薬を使用しますが、この薬は、多くの場合、半年以上かけて量をゆっくりと減らしていくような使用のしかたをします。
 しかし、側頭動脈炎が生じた場合は、より大量のステロイド薬による治療が必要となります。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リウマチ性多発筋痛症」の意味・わかりやすい解説

リウマチ性多発筋痛症
リウマチせいたはつきんつうしょう
polymyalgia rheumatica

高齢者のみに見られる頸 (けい) 部,肩,殿部の筋肉の疼痛 (とうつう) とこわばり感,微熱,倦怠感,体重減少などの全身症状を伴う疾患で,急激な発症をみることが多い。検査所見では,血沈の著明な高進や CRP (ヒト血清中にあって,肺炎双球菌菌体多糖類と反応する蛋白) などの急性期反応物質の著増,貧血が見られるが,リウマトイド因子,抗核抗体などは陰性である。小量のステロイド剤に劇的な効果を示し,症状は好転する。

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