翻訳|ripple mark
砂紋または漣痕(れんこん)などといわれることもある。風または水の流動によって堆積物の表面に作られるうねり模様のこと。一つのリップルの峰から両側の谷までの長さが等しい対称的なリップルマークは,周期的な動きをする波のようなもので作られる。それに対して非対称的なリップルマークは,一方向に向く流れによって形成される。なお,リップルの峰から谷までの高さの差を波高とよび,谷から谷までの長さを波長とよんでいる。
流水によって作られる一連のリップルマークは峰が平行に走る単純なものばかりでなく,馬蹄形を示すものや,半月形の凹地を作るような複雑な形態をとるものまで種々存在する。リップルマークの内部構造は典型的な場合には薄い底置層が基底に発達し,その上に前置層がなん重にも積み重なるような構造を示す。頭置層の発達は識別されないことが多い。リップルマークが移動しながら作られると,クロスラミナの発達した砂層となる。このようにリップルマークは地層中の堆積構造としては最も普遍的なものの一つで,これから古流水系または風系を探ることができる。
流水中で作られるリップルマークは,水流の速度,底質の粒径,流れの方向の動向などによって次のような四つの組に分類される。(1)波長が4~60cm,波高は6cmまでのもので,波長/波高(リップル示数という)が8~15くらいを示すものは小型リップルという。(2)波長が0.6~30m,波高が0.06~1.5mで,リップル示数が20くらいのものはメガリップルという。(3)波長30~1000m,波高1.5~15mでリップル示数が30より大きいのは巨大リップル,または砂波といわれている。(4)これ以上流水速度が大きくなると,海底面の全表面が自由移動するような状態となり,底面は平たんに近い状態となる。しかし峰の存在がかろうじて認識されるので,これをアンチデューンantiduneとよぶ。
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…海の底近くの流れをいう。昔は海底の海水はほぼ静止していると考えられていたが,1940年代以降の海中カメラの発達により,海底のリップルマークripple mark(規則正しい起伏のこと。砂紋,波あと,砂ともいう)が数多く観測され,深海にも流れが存在するのではないかと予想されるようになった。…
…級化層理は火山噴出岩などにもみられるが,一般には乱泥流のような密度流に伴う堆積作用によって形成されることが多い。その場合,密度流に由来する種々の堆積構造,たとえばソールマーク,リップルマークなどを伴うのが特徴である。地層の上下判定の基準として使われる。…
…大規模なものは三角州などにみられる砂堆や,砂漠にみられる砂丘などである。波状現象の波高が10cm以下のものは,砂紋,痕(リップルマーク)と呼ばれ自然界には広く分布する。水槽実験の進歩により,リップルマークの形状,波長,構成物の粒径などの組合せから流れの方向や強さなどが推定できるようになった。…
… 層理面にみられる種々の流痕やその他の跡は自然の営力の化石として知られている。地層上面に付く例として,砂層の表面にみられる流水の跡の流紋(リップルマーク)とか,泥層の表面にみられる底生生物の這(は)い跡などがあげられる(生痕化石)。その他,雨が降った跡といわれるもの,干上がった堆積面が蓮の葉状に割れる干割れ(サンクラックsun crack)などが知られている。…
…海の底近くの流れをいう。昔は海底の海水はほぼ静止していると考えられていたが,1940年代以降の海中カメラの発達により,海底のリップルマークripple mark(規則正しい起伏のこと。砂紋,波あと,砂ともいう)が数多く観測され,深海にも流れが存在するのではないかと予想されるようになった。…
※「リップルマーク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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