斜交葉理cross-laminationともいわれる。クロスベッディングcross-bedding(斜層理)に対して日本でつけられた語。地層の最小の単位の厚さ(1cm以下)でクロスベッディングを記述しようとしたことによる。斜交葉理とは地層をつくる堆積物の粒子の配列が地層面と斜交していることで,水流や風によって送られる砂粒が流れに支配されて堆積するとき,堆積物の粒径,供給量および流れの強さなどによって海底表面に波状現象が生じ形成される。大規模なものは三角州などにみられる砂堆や,砂漠にみられる砂丘などである。波状現象の波高が10cm以下のものは,砂紋,漣痕(リップルマーク)と呼ばれ自然界には広く分布する。水槽実験の進歩により,リップルマークの形状,波長,構成物の粒径などの組合せから流れの方向や強さなどが推定できるようになった。またその形態から地層の上下判定をする基準にも使われる。
→層理
執筆者:加賀美 英雄
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