改訂新版 世界大百科事典 「リベジンスキー」の意味・わかりやすい解説
リベジンスキー
Yurii Nikolaevich Libedinskii
生没年:1898-1959
ソ連邦の作家。シベリアやモスクワで政治活動をしていたが,中編《一週間》(1922)でデビュー。田舎町での革命的な事件とその国際的関連を描いたこの作品は,芸術的にさほどすぐれたものではないが,プロレタリア作家の手になるリアリズム作品として当時は歓迎された。中編《明日》(1923),《政治委員》(1925)などで,新しい社会をつくろうとする党員たちの生活を描いた。1920年代末に,作家は〈主人公が何をしているか〉を書くべきか,〈主人公が何を考えているか〉を書くべきかという〈生きた人間〉論争が白熱したが,中編《英雄の誕生》(1930)は論議の的になった。ほかに三部作《山と人々》(1947),《空焼け》(1952),《ソビエトの朝》(1957)などがある。
執筆者:原 卓也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報