日本大百科全書(ニッポニカ) 「レーナウ」の意味・わかりやすい解説 レーナウれーなうNikolaus Lenau(1802―1850) ドイツの詩人。ハンガリーに生まれる。ウィーンで医学を学んだが、祖父の遺産を得たため学業を放棄。シュワーベン詩派の詩人と親交を結び、連作『葦(あし)の歌』(1832)で注目された。ヒロイックな理想主義と、その挫折(ざせつ)による厭世(えんせい)観が彼の詩のなかで独特な屈折をみせる。「ドイツのバイロン」の呼び名もあり、いかにも詩人的な恋愛と放浪の生活を送ったが、晩年は精神に異常をきたし、精神科病院で悲惨な死を遂げた。[松本道介][参照項目] | シュワーベン詩派 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レーナウ」の意味・わかりやすい解説 レーナウLenau, Nikolaus [生]1802.8.13. チャタード[没]1850.8.22. ウィーン近郊オーストリアの詩人。本名 Nikolaus Franz Niembsch,Edler von Strehlenau。ハンガリーの小貴族の家に生れ,ウィーン大学などで哲学,法律,医学を学んだ。その後シュツットガルトで,ウーラント,ケルナーらシュワーベン派の詩人たちと交遊。 1832年アメリカに渡ったが,絶望して早々に帰国。詩人として再出発したが,父の早い死,貧困,数度の不幸な恋愛など,苦悩に満ちた生活をおくり,44年に発狂,精神病院で没した。『詩集』 Gedichte (1832) や『新詩集』 Neuere Gedichte (38) に含まれている抒情詩は,大部分が孤独,憂愁,無常,没落をテーマにしている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報