アメリカの画家。精密なリアリズムによる人物画、風景画で広範な人気を博している。著名なイラスト画家ニューエル・C・ワイエスNewell Convers Wyeth(1882―1945)を父として、ペンシルベニア州のチャッズ・フォードに生まれ、幼いころから父の教えを受ける。初め水彩を描いたが、1948年のテンペラ画『クリスチーナの世界』で一躍注目され、同年ニューヨーク近代美術館に収蔵される。チャッズ・フォードのカーナー一家、メーン州クッシングのオルソン姉弟をモチーフとして描き続けた連作は、ラディカル・リアリズムの一典型として高く評価されている。一貫してテンペラ、ドライ・ブラッシュによる徹底した写実を追求しているが、アメリカの片田舎(いなか)を舞台に繰り広げられる人間の生と死のドラマがワイエスのテーマである。76年にはメトロポリタン美術館で、現存のアメリカ人画家として初めて回顧展が開かれた。86年、70~85年にかけて1人の女性をモデルに制作された『ヘルガ・シリーズ』が発表されて話題をよんだ。次男ジェームズ・ワイエスJames Wyeth(1946― )も画家で、作風は父アンドリューに近い。なお、生地チャッズ・フォードには、ワイエス美術館ともいうべきブランディワイン・リバー美術館がある。2007年、アメリカ政府より芸術栄誉賞を授与された。
[桑原住雄・小西信之]
『桑原住雄監修『ワイエス画集 カーナー農場 1944―1975』(1981)』▽『難波英雄訳『ワイエス画集Ⅱ クリスチーナの世界』(1983)』▽『桑原住雄監訳『ワイエス画集Ⅲ ヘルガ』(1988・いずれもリブロポート)』▽『『現代美術 第3巻 ワイエス』(1993・講談社)』▽『『週刊美術館39 ホッパー/アンドリュー・ワイエス』(2000・小学館)』
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