海岸の岩場に生えるキク科の多年草。房総半島,東海道,朝鮮南部に分布する。全体に無毛,茎は太くて短く,先端に多数の根生葉がロゼット状に叢生(そうせい)する。その葉腋(ようえき)から側枝が放射状にのび,匍匐(ほふく)した後,斜上して高さ30cm内外となる。根生葉は倒卵形で先は円く,全縁で長さ10~20cm。側枝につく葉は小さい。葉の質は柔らかでやや厚く,裏面は粉白をおび,切ると白色の乳液が出る。9~11月,側枝の先に多数の黄色の頭花を非常に密につける。頭花は舌状花のみからなり,径1cm。瘦果(そうか)はやや扁平な披針形で,白色の剛毛状冠毛がある。一回繁殖型で,開花した株は枯れる。和名は,海(ワタ)に生える菜を意味するワタナの転じたものといわれる。
本種の属するアゼトウナ属Crepidiastrumは,東アジアの固有属で,約10種あり,日本には他にアゼトウナC.keiskeanum Nakaiなど2種が分布する。アゼトウナは伊豆~九州の海崖に生育し,根生葉はへら形で,ワダンより小さい。8~12月,径1.5cmほどのワダンより大きい黄色の頭花をつける。
執筆者:森田 竜義
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キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎は太くて短く、先端に根出葉を叢生(そうせい)する。根出葉は倒卵形で先は丸く、長さ約15センチメートル、全縁で質は厚く、柔らかい。葉柄は太く、径5ミリメートル。9~11月、根出葉の腋(えき)から枝を斜上して、高さ約50センチメートルになり、密な花序をつける。頭花は黄色で、径1センチメートル。海岸の岩場に生え、関東地方南部から東海道、伊豆七島に分布する。名は、「ワタ(海)の菜」が転じたものといわれる。近縁のホソバワダンは、根出葉がより細い種類である。
[森田龍義 2022年5月20日]
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