ワッセルマン(読み)わっせるまん(その他表記)August von Wassermann

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワッセルマン」の意味・わかりやすい解説

ワッセルマン
わっせるまん
August von Wassermann
(1866―1925)

ドイツの細菌学者。ストラスブール大学卒業。1888年医業を開業、1890年ベルリンのコッホ伝染病研究所に入り、1906年実験治療部長、1913年、新設の実験治療研究所長に就任した。彼は実験的研究を、E・ベーリング北里柴三郎(きたさとしばさぶろう)に始まるジフテリア破傷風の抗毒素血清療法から開始し、結核血清反応研究、サル梅毒の血清反応からヒト梅毒の血清診断法の研究へと進んだ。そして鋭敏にして特異性の高い補体結合術式による血清診断法を提案した。「ワッセルマン反応」とよばれるこの方法は世界に普及した。『病原微生物学大系』Handbuch der pathogenen Mikroorganismen(1903~1909)の監修にも携わった。

藤野恒三郎

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワッセルマン」の意味・わかりやすい解説

ワッセルマン
Wassermann, August von

[生]1866.2.21. バイエルンバンベルク
[没]1925.3.16. ベルリン
ドイツの細菌学者。エルランゲン,ミュンヘン,シュトラスブルク,ウィーンの各大学で医学を学び,1888年シュトラスブルクで開業。 90年ベルリンのロベルト・コッホ伝染病研究所に入り,1906年に実験治療および血清研究部部長,13年にカイザー・ウィルヘルム研究所所長。 06年には同僚 A.ナイセル,C.ブルックとともに,梅毒の血清診断法であるワッセルマン反応を発表した。

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