アイコノスコープ(英語表記)iconoscope

翻訳|iconoscope

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アイコノスコープ
iconoscope

テレビジョンの画像を得るために,光学像を電気的信号に変換する撮像管として,1932年に世界で最初に V.ズボリキンにより発明された。電子をコンデンサで蓄積し,光電変換と走査機能の両方を組み込んだことが画期的だった。真空管の中に取り付けられた薄いマイカ板上に光を感じる画素がモザイク状に構成してある。各画素は,表面では互いに絶縁された微小な銀粒子からなり,裏面は銀または白金が一様に蒸着され,それぞれが微小コンデンサを構成している。像に対応して各コンデンサに蓄積された電荷を高速電子ビームで走査し,放電電流として画像情報を取り出す。シェーディング shadingと呼ぶ偽信号が発生するのと感度も高くないので,現在では使用されていない。初期のテレビカメラに使われたが,イメージオルシコンに取って代わられた。

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百科事典マイペディアの解説

アイコノスコープ

米国の電子工学者ツウォリキンにより発明された初期のテレビ撮像管。絶縁体である雲母板上に銀を蒸着したモザイク面と呼ばれる光電面に焦点を結んだ光学像は多数の電荷群に変換され,高速電子ビームで順次走査することにより電荷が放電され信号電流となる。日本では1935年に高柳健次郎らがアイコノスコープを開発し,全電子式テレビ方式はこれにより可能となった。
→関連項目イメージオルシコン撮像管テレビジョン

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アイコノスコープ
あいこのすこーぷ
iconoscope

テレビジョン撮像管の一種で、1933年アメリカのV・K・ツウォリキンの発明したもの。この発明以前はファンスワース管といわれる解像管などが用いられていたが、感度が低いため実用的でなかった。アイコノスコープの出現により、精細な画像が初めて可能になった。
 結像のためのモザイク面は、厚さ30~40マイクロメートルの薄いマイカ(雲母(うんも))板の片面に、直径1~2マイクロメートルの光電効果をもった銀の粒子を散布して光電素子としたものである。マイカ板の他の面には金属が蒸着してあり、信号板とよばれる。被写体の像をモザイク面上に結ぶと、像の明暗、つまり光の強弱に応じた光電子を放出し、その部分は電気的に正になり、信号板には静電誘導で負の電荷が残る。モザイク面に電子銃から出た電子ビームを当てると、ビームの負電荷によってモザイク面上の正電荷が中和され、信号板上の負電荷は解放されて外部回路に放電電流が流れる。したがって、適当な偏向装置により電子ビームをモザイク面上に走査(画面を一定の順序に従って電気信号に変える)してやると、二次元画像から時間の経過に伴って変化するテレビジョンの映像信号が得られる。
 アイコノスコープは歴史的に重要で、今日のテレビジョン発展の素地をつくったが、その後、高感度の撮像管が次々に開発され、現在は使用されていない。[金木利之]

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