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アイソン彗星 あいそんすいせい

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知恵蔵2015の解説

アイソン彗星

アイソン彗星(すいせい)は、2012年9月21日に発見された新彗星。国際科学光学ネットワークのヴィタリー・ネフスキー氏(ベラルーシ)とアルチョム・ノヴィチョノク氏(ロシア)が発見し、命名した。アイソン(ISON)は国際科学光学ネットワークの略称。同月24日、国際天文学連合が新彗星C/2012 S1(ISON)として認定した。
13年に見られる2大彗星の1つであるが、北半球では3月から5月に見られるパンスターズ彗星C/2011 L4 (PANSTARRS)に比べ、アイソン彗星ははるかに明るく、観測史上まれな明るい彗星となる可能性もあると期待されている。これは、アイソン彗星が太陽に大接近して通過するサングレイザー彗星であるためで、太陽に最も近づく時(近日点。11月29日)の距離は0.012天文単位(AU)(約180万キロメートル)となる。サングレイザー彗星では、近日点付近で太陽の熱と重力により核の氷や岩石が分解されて明るさを増し、尾が発達する。過去には1965年の池谷・関彗星C/1965 S1(Ikeya-Seki)が0.008AU(約120万キロメートル)まで接近した例がある。
アイソン彗星は、2013年10月下旬に肉眼でも見える明るさとなり、近日点に近づくにつれて急激に明るさを増す。最も明るい時期には満月に匹敵する-10等級以上となる。また、地球との位置関係より彗星を横から眺めることになり、長く伸びる尾を観測しやすい。
彗星が太陽に接近し過ぎると、核が分裂または蒸発してなくなることがあるが、アイソン彗星は核の直径が約3キロメートルとやや大型であるため、近日点通過後も残ると考えられている。
日本では、アイソン彗星が最も明るい期間は地平線の下に隠れて観測できないが、その後、急激に高度が高くなり、12月上旬から中旬の午前5~6時頃、東の空で最も観測しやすくなる。地球に最も近づく近地点は12月26日で、距離は0.4AU(約6000万キロメートル)である。
近日点通過後は、次第に暗くなり、14年1月中旬以降は双眼鏡や天体望遠鏡が必要となる。
アイソン彗星の軌道は放物線軌道であるため、楕円(だえん)軌道を周回する彗星と異なり、地球に接近中のこの彗星を観測できる機会は今回限りである。軌道は正確に計算されており、地球に落下の危険はない。

(フリーランスライター  葛西奈津子 / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

アイソン彗星

昨年9月、国際科学光学ネットワーク(ISON=アイソン)に所属する2人の研究者が発見し、同ネットワークの略称から命名された。ハレー彗星などとは違い、今月29日に太陽に最接近した後は遠ざかり、二度と戻ってこない。太陽に近づき、高温にさらされることで、ちりなどの成分が放出されて彗星の尾ができる。アイソン彗星は金星ほどの明るさになるとみられる。29日前後は太陽の明るさで見えなくなるが、12月上旬には明け方、東の空低くに輝く姿を観測できると予想されている。

(2013-11-28 朝日新聞 朝刊 多摩 1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

アイソン‐すいせい【アイソン×彗星】

2012年9月、ロシアのキスロボツク天文台ISON(アイソン)(国際科学光学ネットワーク)によって発見された非周期彗星サングレーザーとよばれる彗星の一つで、2013年11月末に大増光することが期待されたが、太陽に最接近する近日点の手前でばらばらに崩壊した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アイソン彗星
あいそんすいせい
Comet ISON

2012年9月にロシアのキスロボツク天文台で発見された非周期彗星。発見者が所属している国際科学光学ネットワーク(International Scientific Optical Network、略称ISON(アイソン))というチーム名にちなんで命名された。2013年11月に太陽にもっとも近づいた(約190万キロメートル)。近日点通過後、大彗星になることが期待されたが、急速に明るさを減じて、ほぼ消滅した。あまりに太陽の近くを通過したことにより、彗星核が崩壊して、融解蒸発したものと考えられている。[編集部]

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