アクリルアルデヒド

大辞林 第三版の解説

アクリルアルデヒド【acrylaldehyde】

揮発性があり刺激臭の強い無色の液体。化学式 CH2=CHCHO グリセリンを脱水して得る。空気中で容易に酸化されてアクリル酸になる。キノリンなどの原料。アクロレイン。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アクリルアルデヒド
あくりるあるでひど
acrylaldehyde

アクロレイン、プロペナールの別名をもつ低級不飽和アルデヒド。
 グリセリンを硫酸水素カリウムと加熱して脱水すると生成する。工業的にはプロピレンをモリブデン・ビスマス系触媒を用いて接触酸化する方法により製造する。激しい刺激臭をもつ無色の液体で、揮発しやすい。非常に毒性が強く、目や鼻の粘膜、呼吸器、皮膚を刺激する。油脂やプラスチックなどが不完全燃焼したときに発生するほか、タバコの煙やディーゼルエンジンの排気ガスにも含まれる。空気中では容易に酸化され、光、空気、過酸化物により重合して樹脂状物質に変化するので、保存する際は空気を断って少量のポリフェノールを加えておく。還元するとプロピオンアルデヒドを経てプロピルアルコール(1-プロパノール)を生成し、酸化するとアクリル酸になる。臭素を作用させると容易に二重結合に付加して2,3-ジブロモプロピオンアルデヒドになる。アルデヒド基-CHOをもっているので、オキシムの生成、銀鏡反応を行う。
 用途としては、アクリル酸、アクリロニトリル、アリルアルコール、グリセリンの合成原料になるほか、医薬品として用いられるメチオニンの原料としての需要がある。[廣田 穰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のアクリルアルデヒドの言及

【アクロレイン】より

…2‐プロペナール2‐propenalの慣用名で,アクリルアルデヒドともよばれる。鎖式不飽和アルデヒドの一つ。…

※「アクリルアルデヒド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

医療過誤

診療過誤ともいい,医療行為一般の誤りをさす。医学知識の不足,医療技術の未熟,診療行為の全体としての疎漏さ,不適切な薬剤や医療器具の使用などが原因となる。具体的には誤診,診断の遅延,手術過誤,注射事故,...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android