propenoic acid.C3H4O2(72.06).CH2=CHCOOH.実験室的には,アクリル酸エステルのけん化,アクリルアルデヒドの酸化,ヒドロキシプロピオン酸の脱水,およびハロプロピオン酸の脱ハロゲン化水素などの方法があるが,工業的には,次式に示すような合成法がある.
→ CH2=CHCOOH + H2O
(プロペンの直接酸化法)
(レッペ法)
不快な刺激臭をもつ液体.融点13 ℃,沸点141 ℃.1.0511.1.4224.水に可溶.非常に重合しやすいので重合防止剤としてヒドロキノンを加えて貯蔵する.エテンやアクリロニトリルとの共重合体は酸性高分子電解質として重要であり,また水溶液性高分子の原料,そのほか種々の有機合成の原料としても用いられる.アルキルエステルの重合体は,塗料,接着剤などに広く利用される.最近では,ポリアクリル酸を架橋したものが高吸水性樹脂として,おむつ,衛生用品,農業,電子産業などのさまざまな方面で利用されている.皮膚,粘膜,眼を刺激する.LD50 60 mg/kg(マウス,経口).[CAS 79-10-7]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
代表的な不飽和カルボン酸。プロペン酸ともいう。
クロロプロピオン酸の脱塩化水素、ヒドロキシプロピオン酸の脱水により調製できる。工業的には、石油から得られるプロピレンを原料として、アクリルアルデヒドを経る2段階の酸化により製造されている。この酸化反応は酸化剤として空気を用い、触媒にモリブデン系化合物を用いる。プロピレンからアクリル酸を1段階でつくる製造法もある。
酢酸に似たにおいのする液体で、水とは任意の割合で混じり合う。毒性が強く、重合しやすい。単独で重合させるとポリアクリル酸になり、増稠(ぞうちょう)剤、紙加工用粘結剤などに用いられる。架橋を含むポリアクリル酸ナトリウムは吸水性が強いので、紙おむつなどに用いる。
[廣田 穰]
最も簡単な不飽和カルボン酸。化学式CH2=CHCOOH,融点14℃,沸点141℃,比重1.051。酢酸に似た刺激臭のある液体で,水,アルコールと任意の割合で混じり合う。非常に重合しやすいため,重合禁止剤としてヒドロキノンを500ppm程度加えて貯蔵する。
実験室的にはアクロレインの酸化,アクリロニトリルやアクリル酸エステルの加水分解などで合成される。工業的には,ニッケル鎖体を触媒とするアセチレンのカルボニル化反応よるか,エチレンオキシドとシアン化水素の反応で得られるエチレンシアンヒドリンの脱水と加水分解によって製造される。
種々の有機合成の原料として利用されるほか,重合体は水に溶けて高粘度の溶液となるので増粘剤として塗料に用いられている。また,アクリロニトリルやエチレンとの共重合体の利用度は広い。
執筆者:井畑 敏一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新