アクロレイン、プロペナールの別名をもつ低級不飽和アルデヒド。
グリセリンを硫酸水素カリウムと加熱して脱水すると生成する。工業的にはプロピレンをモリブデン・ビスマス系触媒を用いて接触酸化する方法により製造する。激しい刺激臭をもつ無色の液体で、揮発しやすい。非常に毒性が強く、目や鼻の粘膜、呼吸器、皮膚を刺激する。油脂やプラスチックなどが不完全燃焼したときに発生するほか、タバコの煙やディーゼルエンジンの排気ガスにも含まれる。空気中では容易に酸化され、光、空気、過酸化物により重合して樹脂状物質に変化するので、保存する際は空気を断って少量のポリフェノールを加えておく。還元するとプロピオンアルデヒドを経てプロピルアルコール(1-プロパノール)を生成し、酸化するとアクリル酸になる。臭素を作用させると容易に二重結合に付加して2,3-ジブロモプロピオンアルデヒドになる。アルデヒド基-CHOをもっているので、オキシムの生成、銀鏡反応を行う。
用途としては、アクリル酸、アクリロニトリル、アリルアルコール、グリセリンの合成原料になるほか、医薬品として用いられるメチオニンの原料としての需要がある。
[廣田 穰]
C3H4O(56.06).CH2=CHCHO.アクロレインともいう.もっとも低級な不飽和アルデヒドで,油脂の熱分解によって生成し,実験室的にはグリセリンを硫酸水素カリウム,硫酸マグネシウムなどを用いて脱水すると得られる.工業的にはMo-Bi酸化物に各種酸化物を添加した多元系酸化物触媒を用いて,プロペンを気相酸化すると得られる.刺激臭を有する無色の液体.融点-87 ℃,沸点52 ℃.0.8410.1.3998.多量の水に可溶,エタノール,エーテルに易溶.アクリルアルデヒドをさらに多元系Mo-Ⅴ酸化物触媒を用いて気相酸化するとアクリル酸が合成される.アクリル樹脂原料のアクリル酸メチル合成の中間生成物(反応中間体)として重要である.このほか,医薬メチオニンの合成原料,グリセリンの合成原料にも用いられる.[CAS 107-02-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
「アクロレイン」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…2‐プロペナール2‐propenalの慣用名で,アクリルアルデヒドともよばれる。鎖式不飽和アルデヒドの一つ。…
※「アクリルアルデヒド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...
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