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アシダカグモ アシダカグモHeteropoda venatoria ;banana spider

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アシダカグモ
Heteropoda venatoria ;banana spider

クモ綱クモ目アシダカグモ科。体長は雌 3cm,雄 2cm。徘徊性のクモとしては日本最大で,左右の歩脚を伸ばすと 10cmほどになるので一般に嫌われる。白色,灰色,褐色の毛が混生し,全体として灰褐色であるが,雄のほうがやや明るく,また背面に1対の黒色斑をもつ。屋内性で,夜間活動してゴキブリなどを捕える。初夏に産卵し,円板状の卵嚢を持運ぶ。孵化後2年で成体となる。人為的に分布が広げられ,現在では全世界の温帯,熱帯に広く分布している。近縁のコアシダカグモ H. forcipataは屋外徘徊性で,暗いところを好み,洞穴内でしばしばみられる。なおアシダカグモ科 Heteropodidaeはいずれも徘徊性で,草の間,樹上,屋内などに生息している。 (→クモ類 )

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世界大百科事典 第2版の解説

アシダカグモ【huntsman spider】

アシダカグモ科のクモ(イラスト)。体長は雌28~33mm,雄23~28mmで足をのばすと10cmくらいになる。大型で茶褐色をした毛むくじゃらの徘徊性のクモ。世界の暖かい地方に広く分布し,日本では関東以南に生息する。夜行性なので夕方になると家屋の内外に姿を現し,脚を四方に広げのっそりと歩き回り,餌を見つけるとすばやくとらえる。脱皮はふつう13回行うが,10回目の脱皮で生殖能力が完成し,産卵をする。産卵期は5月中旬~6月初旬と,7月初旬~8月初旬の年2回,卵囊は白色で円板状,これを触肢と第3歩脚でしっかりと抱きかかえてもち歩く。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アシダカグモ
あしだかぐも / 足高蜘蛛
banana spidergiant crab spider
[学]Heteropoda venatoria

節足動物門クモ形綱真正クモ目アシダカグモ科に属するクモ。体長は雌3センチメートル、雄2センチメートルぐらいで、徘徊(はいかい)性のクモでは日本最大。全体が褐色で、脚(あし)は横に広がる。関東地方以南の太平洋沿岸地域の家屋内にすむ。原産地は熱帯地方であるが、現在では交通機関によって世界中に広まっている。屋内暖房のため日本の冬でも越せる。成長するまで10回ぐらい脱皮して数年生き、飼育例では9年半という記録がある。夏に円盤状の卵嚢(らんのう)をつくり、触肢と第3脚で抱えて持ち運ぶ。色と形と大きさから一般に嫌われているが、家屋内を徘徊し、夕方になると活動を始め、盛んにゴキブリを捕食する益虫である。アシダカグモとクロゴキブリの分布が似ているのもおもしろい。外国では、よくバナナの荷に紛れて移入したことからバナナグモとよばれる。この仲間には野外の薄暗い所や洞穴にすんでいる少し小形のコアシダカグモがおり、田舎(いなか)では家に入り込むことがある。なお『和漢三才図会』(1712)に出てくるアシダカグモは、現在のアシナガグモである。[八木沼健夫]

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世界大百科事典内のアシダカグモの言及

【クモ(蜘蛛)】より

… クモは漢字で蜘蛛と書くが,その語源は,網に餌がかかったのを知り,駆けつけ誅(ちゆう)して食する虫ということから出たと考えられている。また和名でクモというのは,アシダカグモの漢名の喜母(きも)の読みから出たものであろうといわれる。クボ,コブ,クバなどいろいろな地方名がある。…

※「アシダカグモ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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