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アトピー性皮膚炎 アトピーせいひふえんatopic dermatitis

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アトピー性皮膚炎
アトピーせいひふえん
atopic dermatitis

一定の物質に対して,先天的に過敏なアトピー性体質の人にみられる皮膚炎。アトピー性体質の人は体外から進入する抗原 (アレルゲン) に対して過敏に反応し,特異的な抗体 (レアギン) をつくり出す。

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知恵蔵の解説

アトピー性皮膚炎

アトピーとは、花粉症や鼻アレルギー気管支ぜんそくなどのアレルギー疾患(I型アレルギー)のうち、遺伝的素因を持ったものをいう。乳幼児期に乾燥した皮膚、汗の排泄障害、皮脂分泌障害など、特有の症状が見られる。皮膚のかゆみを訴え、多くは皮膚炎を起こす。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

アトピー性皮膚炎

かゆみを伴う発疹が、顔や首、ひじやひざなどに繰り返し出るアレルギー疾患。一般的に、「ステロイド」を塗って炎症を抑える薬物療法と、炎症予防のため皮膚を清潔にし保湿する治療を併用する。ステロイドを使いすぎると、皮膚の萎縮(いしゅく)など副作用もあるため、日頃から十分に保湿して炎症を起こりにくくすることが治療の基本とされる。

(2008-08-21 朝日新聞 夕刊 2社会)

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デジタル大辞泉の解説

アトピーせい‐ひふえん【アトピー性皮膚炎】

atopic dermatitisアトピー体質の人に生じる湿疹(しっしん)。乳児型は顔や頭に湿潤性の湿疹ができ、かゆい。小児型はひじ・ひざの屈側部に乾燥性の湿疹ができるもの、四肢の伸側部にできるものがあり、成人型ではさらに頸部(けいぶ)・額(ひたい)・まぶた・前胸部・手関節部などにもできる。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

アトピー性皮膚炎【アトピーせいひふえん】

ギリシア語で〈奇妙な皮膚炎〉を意味する。とくに乳幼児に多いアレルギー性,内因性の湿疹。症状は年齢とともに変化する。乳児期は顔面に始まり,次第に手足や体の中心部へと拡大し,激しいかゆみを伴う。
→関連項目アレルギー・マーチアレルゲンカポジー水痘様発疹金属アレルギーシックハウス症候群

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とっさの日本語便利帳の解説

アトピー性皮膚炎

遺伝性の素因のある即時型アレルギーアトピーという。アトピー性皮膚炎患者の家族は、アトピー性皮膚炎はもとより、喘息、花粉症、胃腸アレルギー蕁麻疹(じんましん)などアレルギーを起こすことが多い。

出典|(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」
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食の医学館の解説

あとぴーせいひふえん【アトピー性皮膚炎】

《どんな病気か?》
〈アレルギーだけでなく皮膚の性質も大きく関係〉
 アトピー性皮膚炎は、強いかゆみをともなう湿疹(しっしん)をおもな病変とし、症状がよくなったり悪化したりをくり返す病気です。湿疹ができる場所に特徴があり、ひたい、目や口のまわり、耳たぶの下、首や手足の関節部などに現れます。
 アトピー性皮膚炎の子どもの多くは、体質的にアトピー素因をもっています。アトピー素因とは、本人に気管支(きかんし)ぜんそくやアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎(けつまくえん)、アトピー性皮膚炎の既往歴があるか、または家族にそれらの病気にかかった人がいること、そしてアレルギー反応の元となるIgE(免疫グロブリンE)という抗体(こうたい)をつくりやすい素因をもっていることをいいます。
 つまりアレルギーを起こしやすい体質をもっているために、食べものやダニ、カビ、ホコリなどがアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす原因物質)となって症状を引き起こしてしまうことがあるわけです。
 ただし、アトピー性皮膚炎の原因はアレルギーだけでなく、皮膚の性質も大きく関係していることがわかっています。
 アトピー体質の子どもの皮膚は乾燥しやすく、刺激に弱い性質のため、汗をかいたり、皮膚を刺激する毛糸の衣類を着ると湿疹が悪化してしまうのです。
 またストレスによって、実際にはかゆくないのにかきむしり、湿疹を悪化させているケースもみられます。
 したがって、スキンケアとあわせて、心のケアもたいせつな要素になります。
《関連する食品》
ビタミンC、ナイアシン、IPAでかゆみを緩和する〉
○栄養成分としての働きから
 アトピー性皮膚炎は、強いかゆみをともなうことが特徴の1つです。
 たとえばアレルギーが原因となっている場合、かゆみは次のようなメカニズムで起こります。
 ダニやカビなどのアレルゲンが体内に入ってくると、IgE抗体がつくられ、肥満細胞というヒスタミンをはじめとするさまざまな体内物質を抱えた細胞と結合します。そして次に同じアレルゲンが侵入すると、IgE抗体がアレルゲンと接合し、それを合図に肥満細胞は抱えていたヒスタミンなどの物質を外にばらまきます。これらの体内物質により、アトピー性皮膚炎のかゆみや炎症が引き起こされるのです。
 ビタミンCやナイアシンには、このヒスタミンの生成を抑える効果があり、かゆみや炎症の緩和に働きます(ただし、ナイアシンを多く含む肉類、魚類がアレルゲンとなることも多いので、その場合はサプリメントでとる方法もあります)。
 また、ビタミンCはストレスに対抗するホルモンの生成にもかかわっています。アトピー性皮膚炎の子どもは、かゆみで夜も眠れないなど、日常的にストレスにさらされており、それだけビタミンCも多く消費されてしまいます。ビタミンCを多く含むコマツナカリフラワーなどの野菜をしっかりとりたいものです。魚の脂(あぶら)に多く含まれるIPAにも、かゆみや炎症を鎮める働きがあります。魚がアレルゲンとなっている場合は、α(アルファ)リノレン酸を含む植物油(シソ油、エゴマ油など)をとると、体内でIPAにかわり、アレルギー症状を緩和します。なおかつ、リノール酸と異なり、アレルゲンにはなりません。
〈免疫機能を正しく調整するB6 、乳酸菌、DHA〉
 免疫機能を正常に保つうえで欠かせないのが、ビタミンB6乳酸菌、DHAです。
 もともとビタミンB6は、皮膚炎を予防することから発見されたビタミンで、不足すると湿疹やじんま疹(しん)などができやすくなります。強い抗アレルギー作用があり、ビタミンB6をとることでアレルギー症状が改善されたという報告もあります。
 またビタミンB6は、ナイアシンの合成能力も高めてくれます。ビタミンB6を含むバナナサツマイモなどで補給を心がけてください。
 一方、プレーンヨーグルトなどに含まれている乳酸菌は、アレルギーを引き起こすもととなるIgE抗体が体内でつくられるのを抑制して免疫機能を修正します。
 この効果を高めるためには、乳酸菌を毎日、習慣的に摂取することがポイントになります。なお、甘味料が入ったヨーグルトは、アレルギーを誘発する可能性があり、適しません。乳製品がアレルゲンとわかっている人も、当然ながら避けなければなりません。
 DHAは、α―リノレン酸を含む食品からとることができます。α―リノレン酸は体内でIPAにかわったのち、DHAに合成されます。
 最近、ベニバナ油などリノール酸を多く含む食品をとりすぎるとアレルギー症状が悪化することがわかってきました。これは、アレルギーの原因となるロイコトリエンという物質が肥満細胞から放出されるのをうながすためだと考えられています。したがって、リノール酸の多い油は避け、シソ油やアマニ油など、α―リノレン酸を多く含む油を使うといいとされています。
〈α―リノレン酸の油は加熱しないで使う〉
 α―リノレン酸を含んでいる油からDHA、IPAをとる場合には、揚げものや炒(いた)めものなどといった、加熱する料理で使うよりも、サラダドレッシングなどで利用したほうが有効に摂取することができます。というのもα―リノレン酸はとても酸化しやすいためです。
 保存の際も、冷暗所に置くようにしてください。
 また、α―リノレン酸もとりすぎには注意が必要です。

出典|小学館
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世界大百科事典 第2版の解説

アトピーせいひふえん【アトピー性皮膚炎 atopic dermatitis】

語源はギリシア語で〈奇妙な皮膚炎〉を意味する。1923年にA.コカが提唱した〈アトピー〉性の素因による皮膚炎という意味で名づけられた。典型的な経過をとる場合,まず乳児期に顔面,頭部にかゆみの強い赤い発疹が現れ,かきこわすと汁が出てくる。やがてこのかゆい発疹は全身の皮膚に広がり,悪化と改善の波をくりかえすようになる。改善したときには,皮膚には赤みはなくなり,梨の肌のようなぶつぶつが背や胸にみられる程度になる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

アトピーせいひふえん【アトピー性皮膚炎】

アトピー体質の人にいろいろな刺激が加わって生じる湿疹。かゆみが強い。年齢によって現れる症状が異なり、乳児では顔面・頭部が赤くただれて湿性、成人では主に関節屈側に丘疹が集簇しゆうぞくし、乾燥している。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アトピー性皮膚炎
あとぴーせいひふえん

アトピー性体質のある人に生ずるかゆみの強い、慢性に繰り返す湿疹(しっしん)である。喘息(ぜんそく)、アレルギー性鼻炎、花粉症、じんま疹(しん)のできやすい遺伝的アレルギー性体質(アトピー性体質)をもっている人は、生まれつき、いろいろな物質に過敏で、草木の花粉やダニ、家の中のほこり、カビの胞子などに触れたり吸い込んだり、そのほか生活環境のいろいろなものが刺激となってこの皮膚炎をおこす。年齢によって症状が多少変わるのも特徴で、乳児型、小児型、成人型の3型がある。
(1)乳児アトピー性皮膚炎 生後2か月前後を経過するころからみられる。最初は、頬(ほお)に赤い斑点(はんてん)やぼつぼつ(丘疹)ができ、ついで小さい水ぶくれ(水疱(すいほう))が現れ、やがて頬から前額、下顎(かがく)が冒され、進行すると頭部にまで及び、広範囲にわたって赤くなり、滲出(しんしゅつ)液がじくじくとしみ出し、これが乾燥してかさぶた(痂皮(かひ))をつくる。かいたり、こすったりするといっそう赤みを増し、液の滲出もひどくなって悪化する。
(2)小児(幼児)アトピー性皮膚炎 満1歳過ぎのころからみられるが、もっとも多いのは4~7歳である。できやすい部位は肘(ひじ)や膝(ひざ)のくぼみで、皮膚が厚くなるのが特徴で、乾燥してかさかさしている。表面の皮膚の線(皮溝)が深くなってはっきりみえ、触れると厚ぼったくざらざらしている。かゆみが非常に強くて患部をかきむしるように強くかき、ひっかき傷ができて血がにじみ出るようになり、症状がどんどん悪くなる。
 小児乾燥型湿疹は小児アトピー性皮膚炎の比較的軽症な場合の特徴をとらえた診断名である。満1歳以上7歳くらいまでの間におこる。胴体、肩、腕、大腿(だいたい)(ふともも)などにできやすい。患部の皮膚は乾燥してざらざらしている。よく見るとアワ粒くらいの大きさの皮膚と同色の小さいぼつぼつ(丘疹(きゅうしん))がたくさん固まってできていたり、広範囲にわたってできていたりする。表面が白い粉を振りまいたようにみえるところもある。赤みはあまり強くない。冬季にひどくなる性質があり、夏季の汗をかくころは、かゆみもなく、よくなっていることが多い。
(3)成人アトピー性皮膚炎 思春期以降になると、肘と膝のくぼみにみられた症状、すなわち皮膚が厚くなり、乾燥してかさかさとなり、皮溝が深まる症状がさらに広がり、頸部(けいぶ)、顔面を好んで冒し(成人顔面型)、さらに悪化すると全身にみられるようになる。
 この皮膚病は季節の変わり目にとくに再燃してかゆくなる。外用治療が重要で、副腎皮質ホルモン剤を含んだ軟膏(なんこう)・クリームの塗布が原則である。滲出液が出る場合は患部に細菌が増殖して治りにくくなっているので、抗生物質を必要とすることもある。副腎皮質ホルモン含有外用剤の長期連用による副作用を防止するため、改善時には保湿・保護を目的とする外用剤に変更し、あるいは細胞性免疫抑制剤含有軟膏に変更し、これらを症状にあわせて適切に使い分けることが重要である。治療の際に注意するべきことは、かゆみを止めて患者に患部をかかせないようにすることで、かくとかゆみがいっそう強くなり、皮膚の症状も悪化する(かゆみと掻破(そうは)の悪循環)。かゆみを止めるには、全身療法として抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤を内服させる。[伊崎正勝・伊崎誠一]

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