抗ヒスタミン剤は、アレルギーをおこす原因物質であるヒスタミン、セロトニン、アセチルコリン、ロイコトリエンなどのはたらきを抑える作用(抗アレルギー作用)をもち、アレルギー症状を改善する薬です。
抗ヒスタミン剤には抗アレルギー作用のほかにも、鎮静・催眠作用、自律神経を安定させる作用、鎮吐作用、局所麻酔作用、筋弛緩作用、抗パーキンソン作用と、数多くの作用があります。これらの作用のどれを強調するかによって、いろいろな薬が開発されています。総合感冒剤に抗ヒスタミン剤が配合されているのは、鎮静・催眠作用を応用したいためなのです。
抗ヒスタミン剤は薬によって効力や適応、効果の発現時間・持続時間に差があり、医師は患者の病気の種類や症状から、その人にもっとも適した薬を選択します。
抗ヒスタミン剤は一般に吸収がよく、内服してから15~30分で効果が現れ、1時間後で効果はピークになります。効果の持続時間が半日から1日も続く抗ヒスタミン剤も開発されています。
ただし、抗ヒスタミン剤の中には、長時間(数週間から数か月)使用し続けていると効果が低下するものもあります。しかし使用量を増やすと副作用を招くことにもなるので、注意が必要です。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報
…症状の多様性に対応して次のような各種の薬物が配合される。
[抗ヒスタミン薬]
抗ヒスタミン剤ともいう。各種の炎症やアレルギー性症状が生体内貯蔵部位から遊離されたヒスタミンによって生ずるという考えから,抗ヒスタミン薬を配合する。…
…抗ヒスタミン剤ともいう。生体内アミンの一つであるヒスタミンの作用に拮抗する薬物。…
…しかしながら,この方法は,まれに重篤な反応(ショック)をひき起こすことなどにより,現在では再検討されつつある。 病因が不明な蕁麻疹,あるいはなんらかの治療を行っても症状の軽快しないような場合には,対症療法として抗ヒスタミン剤が日常最も多く使用されている。抗ヒスタミン剤は,細胞膜にあるとされるヒスタミンレセプターに競合的に働くため,蕁麻疹の発現をおさえ,かゆみを止める効果がある。…
※「抗ヒスタミン剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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