コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

アメリカの悲劇 アメリカのひげきAn American Tragedy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アメリカの悲劇
アメリカのひげき
An American Tragedy

アメリカの小説家 T.ドライサーの小説。 1925年刊。貧しい伝道師の子クライド・グリフィスは,出世を夢みて金持の伯父の工場に就職する。そこで知合った女子工員ロバータと関係を結ぶが,富豪の娘ソンドラに好意をもたれると,ロバータがじゃまになる。妊娠したロバータを湖水に連れ出した彼は,殺意がなかったのに彼女を溺死させてしまう。長い裁判の間に政治家の野心がからみ,彼は死刑になる。実際の事件の裁判記録を利用しつつ,成功というアメリカの夢の破綻を重厚な筆致で描いたアメリカ自然主義文学の代表作。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

アメリカの悲劇【アメリカのひげき】

ドライサーの小説。《An American Tragedy》。1925年刊。貧しい青年クライドが立身出世のために女工ロバータを湖上で殺そうとし,死刑に処せられる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラスの解説

アメリカの悲劇

1931年製作のアメリカ映画。原題《An American Tragedy》。監督:ジョーゼフ・フォン・スタンバーグ

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

アメリカのひげき【アメリカの悲劇 An American Tragedy】

アメリカの作家ドライサーの小説。1920年に着手,5年の歳月をかけて完成され,出版(1925)後1年間に5万部を売り,読書界にセンセーションをまきおこした大作。1906年にニューヨーク州ビッグ・ムース湖で起こった殺人事件をモデルに,貧しい街頭伝道師の息子クライド・グリフィスが上流階級の娘との結婚を夢みて,愛人だった女工のロバータ・オールデンを殺し,電気椅子に送られるまでの過程を追い,徹底したリアリズムで克明に描いたもの。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

アメリカのひげき【アメリカの悲劇】

ドライサーの小説。1925年刊。野望ゆえに恋人を死に至らしめた貧しい青年が罪を得て死刑に処せられるまでを、資本主義興隆期のアメリカ社会を背景に描く。自然主義文学の代表作。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アメリカの悲劇
あめりかのひげき
An American Tragedy

アメリカの作家、ドライサーの長編小説。1925年刊。貧しい伝道師の息子クライド・グリフィスは伯父の工場で働くうち、女工ロバータに心をひかれ、深い関係に陥る。だが、社交界の美女ソンドラとも偶然知り合い、交際が進展してゆく。おりあしくロバータは妊娠して結婚を迫り、板挟みになりながらもソンドラとの結婚と富裕な生活を夢みるクライドは、山中の湖にロバータを誘い出し、ボートを転覆させて殺そうとする。しかし決定的瞬間に意志が麻痺(まひ)してボートは偶然の成り行きで転覆、ロバータは溺死(できし)する。政争に利用された裁判の結果クライドは死刑となるが、自分の罪に深い疑惑を抱いたまま死んでゆく。1906年のジレット・ブラウン事件をモデルに、環境と本能に支配される人間の悲劇性を見つめ、物質的成功への夢を無責任にあおるアメリカ社会を批判したアメリカ自然主義の代表的作品。1931年ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督により、1951年には『陽のあたる場所』の題名でジョージ・スティーブンス監督により映画化されている。[大浦暁生]
『大久保康雄訳『アメリカの悲劇』全2冊(新潮文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のアメリカの悲劇の言及

【ドライサー】より

…15年,自伝的小説《“天才”》がニューヨーク悪徳防止協会から告訴され,わいせつのかどで発禁処分を受けたが,H.L.メンケン,シャーウッド・アンダーソンなど文化人478名が抗議するなど話題を呼んだ。評論集《ヘイ・ラバ・ダブ・ダブ》(1920),戯曲《陶工の手》(1918)を出したのち,《アメリカの悲劇》(1925)を出版,国際的にも名声を得た。これにより27年にソ連革命10周年記念に招待され,《ドライサー,ロシアを見る》(1928)を出す。…

【陽のあたる場所】より

…1951年製作のアメリカ映画。ジョージ・スティーブンズ製作・監督作品で,1906年にニューヨーク州で起きた殺人事件とその裁判を題材にしたT.ドライサーの小説《アメリカの悲劇》(1925)の2度目の映画化である。最初の映画化は31年にジョセフ・フォン・スタンバーグ監督により行われ,原作と同じ題のまま〈ロマンティック・メロドラマ〉としてつくられたが,サミュエル・ホッフェンスタインの脚本を読んでその換骨奪胎ぶりに激怒したドライサーが,映画の公開を阻止しようとして法廷で争って敗れたといういきさつがある。…

※「アメリカの悲劇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

アメリカの悲劇の関連キーワードエイゼンシュテイン陽のあたる場所スティーブンズ田中純(1)田中 純

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android