アルザス(英語表記)Alsace

翻訳|Alsace

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルザス
Alsace

ドイツ語ではエルザス Elsass。フランス東部,ライン川に沿ってドイツと国境を接する地方。オーラン,バラン両県およびベルフォール特別区から成る。なお現在の地方行政区分のアルザス地域 (レジオン) にはオーラン,バランの2県が含まれる。ライン川地溝帯西部にあたり,西側を限るボージュ山脈により,大陸性の気候を示すが,同山脈東斜面の前面には沖積層丘陵地が発達し,ブドウ畑地帯を形成している。早くから交通の要所として商業が発達。商人階級の台頭,同盟結成を経て,バイエルン王家の勢力下にあったが,12~15世紀間に細分化され,三十年戦争による破壊ののち,ウェストファリア条約によりフランス領となる (1648) 。その後も領土変更がたびたび行われ,普仏戦争の結果ベルフォール特別区以外はドイツ領 (1871) ,第1次世界大戦後 (1919) フランス領に戻ったが,第2次世界大戦中 (40~44) はまたドイツの占領下にあった。その複雑な歴史を反映する文化様式,建築物などが各地に残され,ドイツ系住民も多い。ライン川氾濫原では農業が盛んで,コムギ,テンサイ,ジャガイモ,ホップ,果物を生産。ボージュ山脈斜面のブドウ園とその白ワインは有名で,美しい景色やコウノトリとともに観光資源ともなっている。鉱工業面ではフランス最大のカリウム鉱山 (ミュルーズ北方) があるのをはじめ,近年ライン左岸のアルザス大運河に完成した強力な発電所群を利用した各種工業が目立つ。ボージュ山中およびミュルーズ付近の綿糸加工,ストラスブール,ミュルーズを中心とする機械・化学・電機工業は重要。面積 8280km2。人口 162万 4400 (1990) 。

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百科事典マイペディアの解説

アルザス

フランス北東部,ボージュ山脈とライン川の間にある地方。現在のオー・ラン県,バ・ラン県を含む。ロレーヌとともにドイツとの国境地帯にある。ドイツ名エルザスElsass。商業・工業活動の要地。ライン川沿岸部はカリ鉱石の採掘をはじめ,水力・原子力発電,精油などのエネルギー資源が豊富で,繊維・機械・電機・電子工学・自動車・金属・化学工業が行われる。平野部の黄土地帯では穀物,果物,野菜が作られる。ブドウ酒,フォアグラ,ビールの産地。仏・独両系の住民が多く,古来両国の係争地。1648年フランス領,普仏戦争の結果1871年ドイツ領,ベルサイユ条約でフランス領,第2次大戦中ドイツ軍が占領,戦後フランスに復帰。
→関連項目ストラスブールフランスミュルーズ

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世界大百科事典 第2版の解説

アルザス【Alsace】

フランス北東部,ライン川左岸の地方。ドイツ語ではエルザスElsassと呼ぶ。現在はほぼバ・ラン県,オー・ラン県とベルフォール管区の範囲にあたる。 アルザスはライン地溝帯の南西部を占め,西はボージュ山地,東はライン川,南北をそれぞれスイス,ドイツとの国境に接している。アルザス平野の標高はおよそ100~200m,主としてライン川およびその支流のイル川の湿地性氾濫原(リード)と低い砂礫段丘,丘陵からなる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルザス
あるざす
Alsace

フランス北東部、ライン川左岸の地方で、旧州名。ドイツ語ではエルザスElsaとよぶ。ライン地溝帯の南西部を占め、西はボージュ山脈、東はライン川、南北はスイス、ドイツとの国境に接する。現在も行政地域名として用いられ、バ・ラン県とオー・ラン県の範囲に相当する。面積8280平方キロメートル、人口173万4145(1999)。[大嶽幸彦]

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