アルス・アマトリア(読み)あるすあまとりあ(英語表記)Ars Amatoria

日本大百科全書(ニッポニカ)「アルス・アマトリア」の解説

アルス・アマトリア
あるすあまとりあ
Ars Amatoria

古代ローマの詩人オウィディウスのエレゲイア調恋愛詩。3巻。西暦1年ごろに刊行された。題名は修辞学(アルス・レトリカ)、文法学(アルス・グラマティカ)などをもじったもので、恋の達人オウィディウス先生が若者たちに「恋愛学」の奥義を伝授しようという趣向。始めの2巻は男性向けで、いかにして恋人を獲得し、愛を維持すべきかを説き、あとの1巻は女性に向けて、恋の心得、魅力増進法などを教える。警抜風刺アイロニー横溢(おういつ)し、当時の都の風俗の生き生きとした描写と人間心理への鋭い洞察に富んだ戯作(げさく)文学の傑作の一つとされる。

[松本克己]

『樋口勝彦訳『アルス・アマトリア』(『世界文学大系 64』所収・1965・筑摩書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

幸福追求権

日本国憲法 13条に保障する「生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利」を一体的にとらえて観念された場合の権利。アメリカの独立宣言中の,「〈天賦不可侵の権利〉のなかに生命,自由および幸福の追求が含まれ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android