アルス・アマトリア(読み)あるすあまとりあ(英語表記)Ars Amatoria

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

古代ローマの詩人オウィディウスのエレゲイア調恋愛詩。3巻。西暦1年ごろに刊行された。題名は修辞学(アルス・レトリカ)、文法学(アルス・グラマティカ)などをもじったもので、恋の達人オウィディウス先生が若者たちに「恋愛学」の奥義を伝授しようという趣向。始めの2巻は男性向けで、いかにして恋人を獲得し、愛を維持すべきかを説き、あとの1巻は女性に向けて、恋の心得、魅力増進法などを教える。警抜な風刺とアイロニーが横溢(おういつ)し、当時の都の風俗の生き生きとした描写と人間心理への鋭い洞察に富んだ戯作(げさく)文学の傑作の一つとされる。

[松本克己]

『樋口勝彦訳『アルス・アマトリア』(『世界文学大系 64』所収・1965・筑摩書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

出し子

1 だし汁を取るための干した雑魚(ざこ)。煮干し。2 振り込め詐欺などの犯罪に利用された預金口座から現金を引き出す役をいう隠語。→掛け子 →受け子...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android