アルフォンソ(13世)(読み)あるふぉんそ(英語表記)Alfonso ⅩⅢ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルフォンソ(13世)
あるふぉんそ
Alfonso ⅩⅢ
(1886―1941)

スペイン王(在位1886~1931)。アルフォンソ12世の嗣子としてその死後生まれ、ただちに即位、母マリア・クリスティナMaría Cristina(1856―1929)が1902年まで摂政(せっしょう)となる。アルフォンソが親政を始めたのは、保守、自由両党の政権交代制に支えられた政治体制が、フィリピン、キューバでの独立運動の再燃、復古王政の中心人物カノバス・デル・カスティーリョの暗殺、米西戦争における敗北などによって破綻(はたん)し始めた時期にあたる。また、腐敗した農村支配の是正を企図して行われた地方行政の改革が失敗したことや、二大政党が党内の対立によって分解したことは、政治体制の解体をさらに促進させることになった。

 第一次世界大戦では中立を保ち、鉱工業が飛躍的に発展したが、同時に物価も高騰し労働運動を激化させた。1917年の共和制を目ざすゼネストに続き、大戦後は経済不況、労働運動およびカタルーニャ・ナショナリズム運動の高揚にみまわれた。1921年の植民地モロッコでの軍の大敗北は国王に対する責任追及といった事態を招き、王政は危機に直面した。王政を救ったのは、1923年9月のプリモ・デ・リベラのクーデターと独裁制樹立である。しかし、1930年1月に独裁制が倒れると、旧政治勢力や軍部の間でも国王は独裁の共犯者とみなされて支持を失った。1931年共和国成立以降は、亡命先から精力的に王党派に支持を与えた。1936年7月に内乱が起きるとフランコ側を支持したものの、フランコから王政復古の約束を得られず、両者の関係は悪化した。1941年1月15日四男のバルセロナ伯ファン(ドン・ファン)に王位継承権を譲渡、同年2月28日ローマで死去。

[中塚次郎 2015年10月20日]

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

アルフォンソ(13世)
Alfonso XII

1886〜1941
スペイン−ブルボン王朝最後の王(在位1886〜1931)
父の死後6か月めに誕生。そのまま王となり,16歳までは母后摂政。在位中は米西(アメリカ−スペイン)戦争や社会運動の激化など多難で,第一次世界大戦後の社会不安の中でプリモ=デ=リベラの軍事独裁成立(1923〜30),これを承認したが,1931年のスペイン革命でこの独裁は崩壊し,同年彼も退位してフランスに亡命した。

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