アンダーソン石(読み)アンダーソンせき(その他表記)andersonite

最新 地学事典 「アンダーソン石」の解説

アンダーソンせき
アンダーソン石

andersonite

化学組成Na2Ca(UO2)(CO33・6H2Oの鉱物三方晶系,空間群, 格子定数a1.7902nm, c2.3734, 単位格子中18分子含む。菱面体結晶,擬立方体結晶の皮殻状・土状集合。黄緑色,透明~半透明,ガラス~真珠光沢劈開未決定。硬度2.5, 比重2.8~2.9。薄片では無~淡黄色,屈折率ω1.520, ε1.540, 一軸性正。紫外線で明黄緑色蛍光を発する。ウラン鉱床の酸化帯,特に坑道の壁に吹出し物としてリービッヒ石石膏・沸石類などを伴う。日本では岐阜県土岐市東濃鉱山から産出。名称は米国の地質学者C.A.Anderson(1902~90)にちなむ。

筆者

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンダーソン石」の意味・わかりやすい解説

アンダーソン石
あんだーそんせき
andersonite

ウラニルを含むナトリウム(Na)・カルシウム(Ca)の可溶性含水炭酸塩鉱物の一つ。1948年アメリカのアリゾナ州ヤバパイYavapai郡ユーレカEureka地域にあるヒルサイドHillside鉱山の堆積(たいせき)性ウラン鉱床の坑壁面から発見された。そのため始めは、生成に人為的要因が作用したので鉱物ではないという見解もあったが、後に世界各所から確認され、鉱物としての立場が確保された。ウラニルイオンは、[CO3]2-の濃度の高い溶液ではアルカリ性の条件で低温でも高い溶解度を示し、比較的容易に運搬される。

 自形はやや平らになった立方体に近い菱(りょう)面体で、微細結晶が溶解と再結晶を繰り返すと、成長したり微細な脈となって母岩の堆積岩中に浸み込む。日本ではリービヒ石liebigite(化学式Ca2(UO2)[CO3]3・11H2O)とともに岐阜県瑞浪(みずなみ)市東濃(とうのう)鉱山の堆積性ウラン鉱床の坑道面に着生したものが知られている。他の共存鉱物には、ベイレイ石bayleyite(Mg2(UO2)[CO3]3・18H2O)、スウォーツ石swartzite(CaMg(UO2)[CO3]3・12H2O)、シュレキンゲル石schröckingerite(NaCa3(UO2)[F|SO4|(CO3)3]・10H2O)、ボルトウッド石boltwoodite(化学式K(UO2)H[SiO4]・1.5H2O)などがある。

 同定は可溶性と紫外線での発光による。リービヒ石はわずかに青味を帯びた緑色、本鉱は黄色味を帯びた緑色で、よく見ると区別できる。紫外線下で色の異なった2種類の蛍光が観察されれば、リン酸塩よりも炭酸塩のほうが可能性大。命名は最初にこの鉱物を採集したアメリカ地質調査所の地質学者チャールズ・アルフレッド・アンダースンCharles Alfred Anderson(1902―1990)にちなむ。

加藤 昭 2015年12月14日]


アンダーソン石(データノート)
あんだーそんせきでーたのーと

アンダーソン石
 英名    andersonite
 化学式   Na2Ca(UO2)[CO3]3・6H2O
 少量成分  Mg。SO3が報告されているが,共存鉱物に石膏があるので,本来のものかどうか確実でない
 結晶系   三方
 硬度    原記載では未測定とあるが,筆者の経験では2程度
 比重    2.86
 色     黄緑~鮮緑
 光沢    ガラス
 条痕    淡黄
 劈開    未記載
       (「劈開」の項目を参照)
 その他   紫外線で緑~黄緑色に発光する。可溶性。放射能あり

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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