燐ウラニル石(読み)りんうらにるせき(その他表記)phosphuranylite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「燐ウラニル石」の意味・わかりやすい解説

燐ウラニル石
りんうらにるせき
phosphuranylite

ウラン二次鉱物中、比較的ウラン濃度の高い部分で生成されるもの。花崗(かこう)岩質ペグマタイトや熱水性ウラン鉱脈鉱床、あるいはコロラド高原型堆積(たいせき)性ウラン・バナジン鉱床などに産する。日本では福島県石川町で花崗岩質ペグマタイト中に微量を産する。自形はなく、微細な鱗片(りんぺん)状結晶の集合、あるいは土状物質からなる皮膜として産し、ほかのウラン二次鉱物と共存するほか、閃(せん)ウラン鉱などの初生鉱物とも共存することがある。命名は化学成分にちなむ。

加藤 昭]


燐ウラニル石(データノート)
りんうらにるせきでーたのーと

燐ウラニル石
 英名    phosphuranylite
 化学式   Ca(UO2)7[OH|PO44・12H2O
 少量成分  Pb
 結晶系   斜方
 硬度    2~2.5
 比重    4.63
 色     レモン黄~深黄
 光沢    ガラス
 条痕    淡黄
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)
その他    主成分としてカリウム(K)を含む化学式KCa(H3O)3(UO2)7[O|PO42・2H2Oが提案されているが、これは別種の可能性がある

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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