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イクバール 'Iqbāl, Sir Muḥammad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イクバール
'Iqbāl, Sir Muḥammad

[生]1877.11.9. シアルコート
[没]1938.4.21. ラホール
インドの詩人,哲学者。熱心なムスリムの家庭に生れ,ラホール大学を卒業後ケンブリッジ,ミュンヘン両大学で哲学を学ぶ。特にニーチェベルグソンから影響を受け,イランの神秘主義に関する研究で学位を得た。帰国後,弁護士を開業するかたわらペルシア語とウルドゥー語の詩を多数発表。その後政治の分野に参加し,1930年ムスリム連盟年次大会の議長に選ばれた際,就任演説でムスリム多住地域を合併して単一国家を打立てる構想を明らかにしたが,これはパキスタン建国によって実現した。主著に『自我の秘密』'Asrār-e khūdī(1915) など。

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世界大百科事典 第2版の解説

イクバール【Muḥammad Iqbāl】

1877‐1938
現代インド・ムスリムの偉大な詩人,思想家。パンジャーブ生れ。ラホールで大学教育を受け,教職に携わった後,1905年渡英し,ヘーゲル,ニーチェなど西欧近代思想を学び,同時に弁護士の資格を獲得した。このころウルドゥー語,ペルシア語の詩作を始め,イスラムの思想を詩にうたい,またパン・イスラム主義思想にも関心をもった。《自我の秘密》(1915)をはじめとする幾つかの詩集は,インド・ムスリムの学生やインテリ層に多大な影響を及ぼした。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イクバール
いくばーる
Sir Muhammad Iqbl
(1877―1938)

インドの詩人、思想家。パンジャーブ州のシアールコットに生まれる。ラホールで大学教育を終え、ヨーロッパに留学、法律と哲学の学位を得る。1908年に帰国後、大学教授を経て弁護士の職につく。彼の思想にはニーチェ、ベルクソンらの西洋哲学の影響が強い。1930年にムスリム連盟のアラハバード大会で議長を務めるなど政治面でも活躍。とくにパキスタンでは、建国の思想的指導者として国民の絶大な尊敬を集めている。ウルドゥー語、ペルシア語による多数の詩集のほか、『イスラムにおける宗教思想の再建』(1930)など英語で書かれた著書も多い。[鈴木 斌]

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世界大百科事典内のイクバールの言及

【インド哲学】より

…彼らのなかで重要な役割を演じたのは,ラーマクリシュナの弟子で,ラーマクリシュナ・ミッションを設立したビベーカーナンダ,近代インドの生んだ最大の思想家といわれるオーロビンド・ゴーシュ,真理の把持と非暴力の実践を通じてインド独立に専念したマハトマ・ガンディー,詩人として著名なタゴール,西洋哲学との比較を念頭におきながらインド哲学の究明に尽力したラーダークリシュナンらであった。イスラムではムハンマド・イクバールが,行動主義を説き,自我の開発と強化を力説して,1920年代のムスリム知識階級に自信と勇気を与え,パキスタン建国の運動への道を開いた。【前田 専学】。…

※「イクバール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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