ウィリス(Thomas Willis)(読み)うぃりす(英語表記)Thomas Willis

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウィリス(Thomas Willis)
うぃりす
Thomas Willis
(1621―1675)

イギリスの解剖学者。ウィルトシャーに生まれ、オックスフォード大学に学んだ。彼は人体解剖にとどまらず、ウシウマブタヒツジイヌ、そして魚や無脊椎(むせきつい)動物にまで解剖学の対象を広げ、比較解剖学上、大きな功績を残した。とくに脳の解剖学に精力を注ぎ、「(ウィリス)眼神経」(三叉(さんさ)神経第一枝)、「ウィリス動脈輪」(大脳動脈輪)などの解剖学用語は今日に至るまで使用されている。ただし後者に関する最初の発見者はイタリアの解剖学者カッセリオGiullio Casserio(1561―1616)である。1664年刊の『脳の解剖学』はウィリスの代表作である。王立協会設立(1662)の際の中心人物の一人。

[澤野啓一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例