出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
北アメリカ大陸東部にある山脈。浸食の進んだ古期褶曲山脈で,全長約2600km,幅数百km。アメリカ合衆国東側の主要山脈として知られるが,北部はカナダのガスペ半島まで延びている。アレゲニー,ブルー・リッジなどの山脈を含み,標高は数百mから千数百mで,ブルー・リッジ山脈は比較的高く最高ミッチェル山(2037m)にまで達する。ブルー・リッジ山脈東麓にはピードモント台地が平行して走る。山脈中には何本もの縦谷が走り,所々で横谷をなして山脈を切る。モホーク川,ポトマック川などの横谷は,開拓時代以来主要横断路として利用された。森林におおわれ各地に林業が見られ,シェナンドア,グレート・スモーキー山脈,マンモス・ケーブなどの国立公園もある。アパラチア炭田などの地下資源にも恵まれる。山脈南部のテネシー川流域は1930年代にTVAによる地域開発が進められた。地名はチョクトー・インディアンの言葉〈向こう側の人々appalachee〉に由来。
執筆者:正井 泰夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…この地域は北アメリカ大陸の北半分を占めた大陸氷河の活動の中心であったので,氷河地形が多く,とくに大小の湖が散在する。 また,北アメリカ大陸東部にはカナダのニューファンドランド州からアメリカ合衆国のニューイングランド諸州をへてアラバマ州まで達するアパラチア山脈がある。アパラチア山脈は古生代の褶曲山地が準平原化し,それが再び隆起したもので,標高は最高約2000mを示すにすぎないが,アメリカの開拓時代に西部への植民にとって大きな障害となった。…
…さらにロシア平原やアメリカ内陸低地のように,古生層・中生層のほぼ水平な地層が広い平地や高地をつくる所では構造平野が発達する。またアメリカ合衆国東部のアパラチア山脈は,褶曲構造をもった古生層が浸食されて,褶曲構造を反映した山稜や谷などの浸食地形が発達して組織地形の代表例とされている。いわば古い山脈をつくる地質構造の骨格が浸食によって洗いだされた地形である。…
…高い山地が生じ準平原にまでならされる絶対時間は少なくとも5000万年を要するだろうと推測されている。
[地質構造と地形]
アメリカの東海岸寄りにアパラチア山脈がある。北東~南西方向に長く延びる山稜とこれに平行する谷が幾重にも連なって低山~中山程度の起伏地となっているが,古生代の水成岩層が古生代末のアパラチア造山運動によって褶曲して生じた山地であり,その褶曲構造が結局は山稜や谷の配列の形を支配している。…
※「アパラチア山脈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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