ウマノスズクサ

百科事典マイペディアの解説

ウマノスズクサ

関東〜九州,中国の草地やぶなどにはえる,ウマノスズクサ科のつる性多年草。葉は卵状披針形で青緑色を帯び,長さ4〜7cm。花は夏,葉腋につく。は曲がったラッパ形で長さ3〜4cm,外側黄緑色内側は紫褐色,花弁はない。果実球形で6裂し,柄があってぶら下がる。これを馬の首にかけたに見立ててこの名がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ウマノスズクサ
うまのすずくさ / 馬鈴草
[学] Aristolochia debilis Sieb. et Zucc.

ウマノスズクサ科(APG分類:ウマノスズクサ科)の多年草。根はよく地中をはって所々に苗を生ずる。全草無毛。茎は細く、初めは直立しているが、やがて他のものにまつわりつく。葉は互生し卵状披針(ひしん)形で、基部は心臓形となる。7~8月に各葉腋(ようえき)に1個の花をつける。花弁はなく、萼(がく)は緑紫色の筒状となり、先がらっぱ状に開く。雌しべは6本で、花柱が互いに合生して短い柱になり、この周りに6本の雄しべが着生する。子房は下位。果実は球形の蒴果(さくか)で、熟すと6裂する。原野や川の土手などに生え、東北地方南部以西に分布し、沖縄さらに中国にまで広がる。名は、果実のようすが馬の首にかける鈴に似ることによる。根は青木香(せいもっこう)とよばれ、虫毒や蛇毒の解毒剤として用いられた。また、成熟果実を乾燥したものは馬兜鈴(ばうれい)とよばれ、解熱、去痰(きょたん)、鎮咳(ちんがい)薬として使われた。同属のオオバウマノスズクサは葉は円心形で大きく、南関東地方以西および中国にも分布する。

[菅原 敬 2018年7月20日]


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