ウズベキスタン共和国の都市。アムダリヤ下流左岸にある。古くはさらに下流にあり(旧(クニャ)ウルゲンチ)、中国では玉竜傑赤などと書かれる。イランと北方遊牧民の交易中継地として栄え、12世紀後半にはトルコ系のホラズム・シャー朝の首都として繁栄した。1221年モンゴル軍の攻撃を受けて堰堤(えんてい)が決壊し、市街は埋没した。10年後すぐ南に再建され、隊商貿易の中心として復興した。いまも12~14世紀のイスラム廟(びょう)が残っている。
18世紀にアムダリヤの河道の変遷によって、住民はやや上流の新(イェニ)ウルゲンチに移った。ここはホラズム地方の政治、経済の中心都市で、近年は工業都市として発展し、タシケントと空路、鉄道が通じている。人口は13万9100(1999)、14万1685(2019推計)である。なお、南西32キロメートルに、16世紀以来ホラズム王アラブ・ムハンマド・ハンが全ホラズムの首都としたヒバがある。ヒバは内城内の建物、たとえば宮殿、墓廟(ぼびょう)などがそのままの形で残っており、中世イスラム都市の特色をよく示している。
[長澤和俊]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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