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エゴイスト The Egoist

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エゴイスト
The Egoist

イギリスの小説家 J.メレディスの小説。 1879年刊。裕福な紳士サー・ウィロビー・パターンは徹底した利己主義者である。妻を選ぶにあたり,幼なじみで彼に好意を寄せるレティシア・デールと,才気煥発な女性コンスタンシア・ダラムを両てんびんにかけて,後者を選ぶが,自分の利己的な性格を見抜かれ逃げられてしまう。あわててクレアラ・ミドルトンに求婚するが,ここでも本性を暴露して話がまとまらない。やむをえず最初袖にしたレティシアに平身低頭頼みこんで,やっと承知してもらう。警句に富んだきわめて主知的な表現技法を駆使して,作者のいわゆる「喜劇精神」を描いた代表的作品。夏目漱石に影響を与えたことでも知られる。

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デジタル大辞泉の解説

エゴイスト(egoist)

利己的な人。利己主義者。
エゴイズム2を信奉する人。主我主義者。唯我(ゆいが)論者。独我論者。
[補説]書名別項。→エゴイスト

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世界大百科事典 第2版の解説

エゴイスト【The Egoist】

イギリスの小説家メレディスの代表作。1879年刊。自己満足の塊である裕福な紳士サー・ウィロビー・パターンが妻選びに失敗する喜劇を才気あふれる筆で描く。ウィロビーは純情なレティシアを軽べつして才女クレアラに求婚するが拒絶され,もはや自分を愛していないレティシアと結婚せざるをえなくなる。華麗な文章と機知に富んだ会話は夏目漱石の《虞美人草》に影響を与えたが,喜劇的精神は抜け落ちている。【海老根 宏】

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大辞林 第三版の解説

エゴイスト【egoist】

自分のことしか考えない人。利己主義者。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

エゴイスト
えごいすと
The Egoist

イギリスの作家G・メレディスの長編小説。1879年刊。美男子で金持ちで家柄のよい青年ウィロビー・パターンは、きわめて高慢でしかも自分かってな男であったが、妻を選ぶに際して相手の気持ちを考えず、身がってな行動ばかりとるために、ついに女性から次々に手厳しくしっぺ返しをされるという喜劇。作者の人生観がよく示されている作品だが、全編に警句や難解な文章が多く、読みにくいという点でも、メレディス全作中の代表作である。[小池 滋]
『朱牟田夏雄訳『エゴイスト』(岩波文庫)』

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世界大百科事典内のエゴイストの言及

【メレディス】より

…この妻の死後彼は幸福な再婚をし,小説と詩集をつぎつぎに発表してゆく。小説の代表的なものとしては,聡明で情熱的なイタリア系の歌姫を主人公とする《サンドラ・ベローニ》(1864),その続編でイタリア独立運動を背景とする《ビットリア》(1867),詐欺師めいた父親とその息子の関係を,ドイツの森林地方を舞台に物語る《ハリー・リッチモンドの冒険》(1871)のほか,喜劇は軽妙な批判精神によって人間社会を洗練する力であるという《喜劇論》(1877),それに基づく最高傑作《エゴイスト》(1879)などがある。このように彼の題材は多様であるが,その本領は主知的であると同時に抒情的でもある巧緻(こうち)な文体によって展開される社会喜劇であり,とくに聡明で積極的な女性の活躍が特徴である。…

※「エゴイスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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