エシカル消費(読み)エシカルショウヒ

デジタル大辞泉 「エシカル消費」の意味・読み・例文・類語

エシカル‐しょうひ〔‐セウヒ〕【エシカル消費】

エシカル(ethical)は「倫理的・道徳的」の意》環境社会に配慮した製品サービスを選んで消費すること。「エシカル消費ファッション」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「エシカル消費」の解説

エシカル消費

人体・環境への負荷社会貢献などを重視して生産された商品やサービスを選択的に消費する行動及び理念。エシカル(ethical)は「倫理的な、道徳上の」という意味。似た概念に、オーガニック食品・化粧品やリサイクル素材の衣料・雑貨といったエコ商品のグリーン購入があるが、エシカル消費はこれに加えて、紛争や児童労働が関与していない嗜好品・宝石・貴金属、フェアトレードで取り引きされる製品・資源などの消費も含まれる。また、被災地復興、過疎地再生、障害者自立などの支援を目的にした消費行動、加えて賞味・消費期限の近い食品を購入する行動(食品ロスの削減)やマイバッグ持参行動(レジ袋の辞退)なども対象とされる。
欧米では、こうした消費行動の多くは早くから実践されていたが、1989年に英国で専門誌「Ethical Consumer」が創刊されたことを契機に用語として広く認知されるようになった。日本でも徐々に浸透しているが、消費者庁が全国2500人を対象に行った意識調査では、「倫理的消費」「エシカル」ともに認知度は1割未満だった(2016年12月実施)。ただし、エシカルな商品・サービスの購入に意欲を示している消費者は6割以上を超えており、社会貢献を目的にしたNPOや社会的企業の設立も活発になっている。消費者庁も、エシカル消費がより良い社会の形成や日本経済の高品質化を促すという観点から、15年5月に「倫理的消費」調査研究会を発足させ、国民生活への浸透拡大を目指している。

(大迫秀樹 フリー編集者/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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