エチルアミン(読み)えちるあみん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エチルアミン」の意味・わかりやすい解説

エチルアミン
えちるあみん
ethylamine

脂肪族アミンの一つ。アンモニア臭をもつ可燃性液体

 臭化エチルブロモエタン)とヘキサメチレンテトラミンとの反応の生成物を加水分解して得られる。工業的にはエタノールエチルアルコール)とアンモニアから合成される。強い塩基性を示す。水、アルコールエーテルと混じり合う。水溶液水酸化ナトリウムを加えると遊離する。染料や医薬品の合成原料となる。塩酸塩は融点110℃の結晶である。

山本 学]

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化学辞典 第2版 「エチルアミン」の解説

エチルアミン
エチルアミン
ethylamine

C2H7N(45.08).C2H5NH2.エタンアミンともいう.ニトロエタンC2H5NO2あるいはアセトニトリルCH3CNを還元するか,ヘキサメチレンテトラミンと臭化エチルの反応物を加水分解させると得られる.無色の液体.融点-80.6 ℃,沸点16.6 ℃.0.689.Ka 5.2×10-4(25 ℃).可燃性で,アンモニア様臭気をもち,水に易溶であるが水酸化ナトリウムで塩析される.アンモニアより強い塩基性をもち,塩酸,硫酸とC2H5NH2・HCl,(C2H5NH2)2・H2SO4などの塩をつくる.金属カリウムと反応して,カリウムエチルアミドC2H5NHKを生じる.染料,医薬品などの合成原料に用いられる.皮膚,粘膜を刺激する.LD50 400 mg/kg(ネズミ経口).[CAS 75-04-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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