ヘキサメチレンテトラミン(読み)へきさめちれんてとらみん(英語表記)hexamethylenetetramine

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヘキサメチレンテトラミン
へきさめちれんてとらみん
hexamethylenetetramine

複素環脂肪族アミンの一つ。ヘキサミンメテナミンウロトロピン、1,3,5,7-テトラアザアダマンタンその他多数の名称をもつ。ホルムアルデヒドアンモニアの反応で合成する。無色無臭結晶または粉末。水、エタノールエチルアルコール)、クロロホルムなどに溶ける。ゴムの加硫やフェノール樹脂合成における反応促進剤として使われる。またアンチモンビスマス、銀、金、水銀などの分析試薬、利尿剤や尿路消毒薬としても用いられる。

[務台 潔]


ヘキサメチレンテトラミン(データノート)
へきさめちれんてとらみんでーたのーと

ヘキサメチレンテトラミン

 分子式 C6H12N4
 分子量 140.2
 融点  >280℃(封管中分解)
 沸点  昇華真空

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヘキサメチレンテトラミン
hexamethylenetetramine

ヘキサミン。尿路防腐剤。ホルムアルデヒドとアンモニアの結合した化合物酸性の尿中で分離してホルムアルデヒドを生じるので,尿路系の防腐剤となる。尿を酸性にするためには,リン酸二水素ナトリウムや塩化アンモニウムなどを用いる必要がある。1回量 0.5g,1日 1.5g。淋菌または大腸菌による膀胱炎,細菌尿,腎盂炎などに用いたが,抗生物質サルファ剤などの出現によって用途が限られてきている。

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