1932年7月21日から1か月間、カナダのオタワで開かれたイギリス帝国経済会議。イギリス本国とカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アイルランドの各自治領、およびインド、南ローデシア植民地の代表が出席した。会議の目的は、世界恐慌にあえぐイギリス帝国の経済再建のため、帝国の経済的紐帯(ちゅうたい)をより強固にすることにあった。議題は、一般通商問題から通貨・金融問題、特恵関税協定問題などにわたった。成立した帝国特恵関税協定は、帝国外の国々には帝国内より高い関税率を設定し、一種のブロック経済圏を実現した点で重要である。同協定により、帝国内貿易はその後相対的に順調な進展を示し、本国のみならず自治領、植民地にも多大の利益をもたらしたが、このような帝国特恵関税圏の設定は、アメリカをはじめ他の列強国の保護主義を助長したため、世界経済のブロック化を促進し、第二次世界大戦の遠因をつくることとなった。
[石井摩耶子]
1932年カナダのオタワで開かれたイギリス帝国経済会議。世界恐慌からの脱出を求めて,帝国内における特恵貿易体制がつくられ,帝国内の経済は一時回復の基調を示したが,この会議によってスターリング(イギリス・ポンド)での決済による経済地域が生まれ,国際的な経済競争を激化させる結果となった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…このため連邦首脳会議をはじめ経済,金融,軍事技術,科学,教育など多くの分野で協力関係が維持されている。経済面では,1932年のオタワ会議で帝国特恵関税制度が採用され,帝国経済ブロックが形成された(オタワ協定)。今日,経済の不振に悩むイギリスの連邦諸国向けの投資は減少しつつあるが,連邦におけるイギリス,カナダ,オーストラリア等の資本投下や技術開発援助は,なお重要性を失わない。…
…1932年7月21日~8月20日,カナダのオタワで開かれたイギリス帝国経済会議(オタワ会議)で締結された協定で,イギリス連邦特恵関税制度Commonwealth Psekaidaihyakka_referenceなどを定めた。19世紀から20世紀初頭までのイギリスは,工業製品貿易における優位を背景に,自由貿易主義を掲げ各植民地に対しても開放的な貿易政策をすすめた。…
※「オタワ会議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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