オブラート

デジタル大辞泉 「オブラート」の意味・読み・例文・類語

オブラート(〈オランダ〉oblaat/〈ドイツ〉Oblate)

でんぷんなどで薄い膜状に作ったもの。粉薬などを包んで飲む。

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精選版 日本国語大辞典 「オブラート」の意味・読み・例文・類語

オブラート

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Oblate )
  2. でんぷん質にゼラチンを混ぜて作った透明の薄片。飲みにくい粉末の薬を包んだりキャラメルを包むのに用いる。古く用いられたせんべい状の硬質オブラートは現在はほとんど用いない。
    1. [初出の実例]「オブラートが無ければ最中の皮を濡(しめ)して包んでも宜いが」(出典食道楽‐秋(1903)〈村井弦斎〉二二三)
  3. 比喩的に、刺激などをやわらげるためのもの。
    1. [初出の実例]「恋は多く人生の苦痛を包むオブラアトなり」(出典:病牀録(1908)〈国木田独歩〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オブラート」の意味・わかりやすい解説

オブラート
おぶらーと
oblate

デンプン質にゼラチンを混ぜてつくる薄い透明な紙状のもの。「食べられる紙」eatable paperともよばれ、薬用のほか、飴(あめ)などの菓子類の包装用としても利用される。服用後は容易に溶ける。薬用のオブラートは円形で、厚さ0.01~0.15ミリメートルほどである。

 語源は、ラテン語のoblatus(円面の)からきたもので、いまでもその形が残されている。オブラートの始まりは古く、ドイツキリスト教祭壇に供える聖なるOblate(ウェファーに似た小型のパン)に散薬を包んで内服したのが最初とされる。かつては、こうした硬質オブラートであったが、現在では、ほとんどが軟質オブラートとなっている。なお、日本でオブラートが市販されたのは、大正初期といわれている。

[山根信子]

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百科事典マイペディア 「オブラート」の意味・わかりやすい解説

オブラート

デンプンと寒天で作った薄片で,菓子類包装用,薬用に用いる。薬用オブラートは円形で,にが味などが強く飲みにくい薬剤を包んで水とともに飲む。

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栄養・生化学辞典 「オブラート」の解説

オブラート

 ドラム乾燥機で作るアルファデンプンの薄い膜で,水に溶けるので菓子や薬剤の可食性包装材料として使用される.

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