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オーキシン オーキシン auxin

翻訳|auxin

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オーキシン
オーキシン
auxin

(1) 古くはヘテロオーキシンと呼ばれた植物ホルモンオーキシン類といわれるなかには,構造類似で同じような生理作用をもつ天然および合成植物ホルモン類が含まれるが,代表的なのはインドール-3-酢酸 (→インドール酢酸 ) である。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

オーキシン

茎や根を成長させたり、果実を肥大させたりする植物ホルモン。植物が体内で作る天然のオーキシンのほかに、同様の働きがある人工オーキシンも多数開発されている。濃度が高すぎると逆に成長を妨げることがあり、一部の人工オーキシンは除草剤に使われた。

(2010-05-09 朝日新聞 朝刊 福島中会 1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

オーキシン(auxin)

植物ホルモンの一。微量で植物の根や茎の伸長を促す一方、落果・落葉を抑制する作用がある。天然のインドール酢酸のほか、合成もされる。生長素。

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百科事典マイペディアの解説

オーキシン

植物ホルモンの一種。微量で植物細胞の伸長を促進させる作用をもつ。屈光性の研究を通じてウェントによって存在が示唆され,ケーグルらによって構造が決定された。植物体内に見出される天然オーキシンとしてはインドール酢酸,合成オーキシンとしてはナフタレン酢酸,2,4-Dなどが有名。
→関連項目屈性植物ホルモン

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世界大百科事典 第2版の解説

オーキシン【auxin】

植物ホルモンの一つで,最も研究の歴史の古いものである。19世紀後半から20世紀初めにかけての研究により,光を植物の生長点にあてると,光の方向に植物が生長する現象,すなわち屈光性は,光の刺激を受けた頂端部から,その下部にある生長域へある種の物質が移動することによって刺激が伝達されて起こると考えられていた。1928年ウェントFrits W.Wentは,マカラスムギ(エンバク)Avena sativa L.の幼葉鞘(ようしよう)の先端を切断し,その先端部を寒天の細片上にのせ,しばらく放置したのち寒天片を,先端を切断した葉鞘の一側面に付着させると,幼葉鞘は寒天をのせた側と反対の方向に屈曲することを見いだした。

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大辞林 第三版の解説

オーキシン【auxin】

植物ホルモンの一。細胞壁をゆるめて細胞の吸水・生長を促すほか、側芽形成抑制や不定根形成促進などの作用もある。天然オーキシンとしてインドール酢酸、合成オーキシンとして 2 、 4 -ジクロロフェノキシ酢酸( 2 、 4 - D )などがある。生長素。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オーキシン
おーきしん
auxin

植物ホルモンの一種。インドール酢酸と同じ生理作用をもつ有機化合物の総称で、とくに低濃度で茎の細胞伸長を促進する。天然のオーキシンであるインドール酢酸のほかに、2,4-D、α-ナフタレン酢酸、β-ナフトキシ酢酸、2,4,6-トリクロロ安息香酸などの合成オーキシンがある。[勝見允行]

発見の歴史

オーキシン研究の歴史は、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンとその息子フランシスFrancis Darwinの植物の運動に関する研究にまでさかのぼる。彼らは『植物の運動の力』(1880)という本のなかで、カナリアソウの子葉鞘(しようしょう)の屈光現象は、子葉鞘の先端が側光を感知し、何かの刺激が下部へ伝えられて、そこで屈曲を引き起こすことによると結論した。その後デンマークのボイセン・イェンセンPeter Boysen-Jensen(1883―1959)が、1913年この刺激は化学的なものであることをみつけた。ハンガリーのパール・アルパードPal rpd(1889―1943)はマカラスムギの子葉鞘の先端を切り取って、切り口にずらしてのせると、暗黒中でも、先端をのせた部分とは反対側へ屈曲がおこることをみつけ、屈曲は先端でつくられる一種の成長物質に関係があることを示した(1919)。オランダのウェントFrits Warmolt Went(1903―90)は同じ材料で、切り取った先端を寒天塊の上にのせて、この物質を寒天中に拡散させて集めることに成功した(1928)。先端を除いた子葉鞘の切り口にこの寒天塊をずらしてのせ、暗黒中に置くと、やはり屈曲がみられた。ウェントは、寒天中に含まれる成長素の濃度と子葉鞘の屈曲の角度は、ある範囲内で比例することから、この原理に基づいてオーキシンの生物試験法を考案した(アベナ屈曲試験)。オーキシンの語源はギリシア語のauxein(成長する)で、オランダのケーグルF. Kglが1931年に名づけた。オーキシン作用をもつ物質は広く生物界に分布し、ケーグルらは人尿からこの物質を単離し、それがインドール酢酸であることを明らかにした(1935)。その後、インドール酢酸が植物体に存在する天然のオーキシンであることがわかった。[勝見允行]

作用の仕組み

オーキシンは細胞伸長を促進する主作用のほかに、単為結実、果実の成長、形成層分裂などを促進し、根の成長、側芽の成長を阻害する。側芽の成長阻害は頂芽優勢の現象(頂芽がその下位の側芽の成長を抑制する現象)とかかわっている。茎頂部からは下方へオーキシンが輸送されるが、下部にある側芽の成長はオーキシンによって抑制される。これは側芽の成長を促すサイトカイニン(植物ホルモン)の側芽における合成が阻害されるためと考えられている。頂芽優勢が強いと植物体の分枝は弱くなる。オーキシンはほかに不定根形成、導管分化、花器官の分化などでも重要な働きをしている。オーキシンがこれらの作用をどのようにしてもたらすのかは、まだはっきりわかっていないが、代表的な作用である細胞伸長促進については、次のようなことが明らかにされている。植物細胞の伸長は、主として細胞の吸水によっておこる。オーキシンは細胞に作用して細胞壁を緩め、その伸展性を増加させることによって、より多くの吸水を可能にする働きをもつということである。またオーキシンによる細胞壁の緩みの機構は次のように理解されている。オーキシンの働きで細胞膜から細胞壁へのプロトン(水素イオン)の分泌が増加し、pH(ペーハー)が低下して緩みに関与する細胞壁の酵素を活性化することと、新たな遺伝子発現によって緩みに必要な新たなタンパク質の合成を促進することの両方による。
 オーキシンはアミノ酸の一種であるトリプトファンから三つの経路で合成されうるが、植物体で実際にどの経路が働いているかは確定していない。また、トリプトファンからでない合成も示唆されている。[勝見允行]
『増田芳雄著『植物の細胞壁』(1986・東京大学出版会) ▽増田芳雄著『植物生理学』(1988・培風館) ▽倉石晋著『植物ホルモン』(1988・東京大学出版会) ▽勝見允行著『生命科学シリーズ 植物のホルモン』(1991・裳華房) ▽増田芳雄編著『絵とき 植物ホルモン入門』(1992・オーム社) ▽高橋信孝・増田芳雄編『植物ホルモンハンドブック』上(1994・培風館) ▽小柴共一・神谷勇治編『新しい植物ホルモンの科学』(2002・講談社)』

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世界大百科事典内のオーキシンの言及

【カルス】より

…癒傷組織ともいう。最近ではこの定義を拡大して,植物体の一部を植物ホルモン(オーキシンやサイトカイニンなど)を含む培地上で培養したとき生じる人工的な細胞塊もカルスという。すでに分化していた細胞が,外的条件によって脱分化する例の典型で,カルスは活発な増殖を行ったのち,やがて再分化することが多い。…

【屈性】より

…屈光性の存在は,すでに1880年にC.ダーウィンがイネの子葉鞘(しようしよう)での観察にもとづいて指摘している。ウェントF.W.Wentは,アベナの子葉鞘の先端部で形成されたオーキシンが基部へ輸送される途中で片面を照射すると,光側のオーキシンの流れが影側へとそらされ,その結果として影側でのオーキシン濃度が増加し光側で減少することを明らかにした(1928)。他方,オーキシンの分布は重力によっても影響されるという考えがコロドニーN.Cholodnyによってすでに指摘されていた(1924)。…

【発生】より

…花芽形成については,光周性や花成ホルモンと関連した研究が数多い。挿木の切穂にオーキシンのような生長調節物質を与えると,根の形成が促進されたり,ふつうは根をつくらないような挿木に根ができたりすることは園芸上よく知られている。また,カイネチンは芽の形成に有効であることが示され,そのほかジベレリンやショ糖のような物質も,組織に応じて特異な作用を示す。…

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