イェンセン(英語表記)Jensen, Jacob

デジタル大辞泉 「イェンセン」の意味・読み・例文・類語

イェンセン(Johannes Vilhelm Jensen)

[1873~1950]デンマークの小説家。北欧新ロマン主義的作風。文化史小説「長い旅」が代表作。1944年、ノーベル文学賞受賞。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「イェンセン」の意味・読み・例文・類語

イェンセン

  1. ( Johannes Vilhelm Jensen ヨハネス=ビルヘルム━ ) デンマークの作家。一九四四年ノーベル文学賞受賞。著「長い旅」「神話」など。(一八七三‐一九五〇

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イェンセン」の意味・わかりやすい解説

イェンセン
Jensen, Jacob

[生]1926.4.29. コペンハーゲン
[没]2015.5.15. ビアクソン
デンマークインダストリアルデザイナー。消費者向け高級製品のデザインを手がけ,洗練された機能的ミニマリズムのあり方「デニッシュモダン」を実現した。特に審美的な美しさをもつ音響機器のデザインで知られる。1964~91年デンマークのオーディオ・ビジュアル機器メーカーであるバング&オルフセンと協力し,ターンテーブルスピーカのデザインを考案した。ほかに,革新的な腕時計などを生み出した。父が営む室内装飾店で修業し,10代でモダニズムの家具デザインを始めた。1948~52年デンマーク美術工芸学院(現デンマーク王立美術アカデミーの一部)に学び,建築家ヨルン・ウッツォンの創設したインダストリアル・デザイン課程初の卒業生となった。1958年に自身の名を冠したヤコブ・イェンセン・デザインを創業した。20点の作品がニューヨーク近代美術館 MoMA永久保存となった。

イェンセン
Jensen, Johannes Vilhelm

[生]1873.1.20. ヒンメルラン,ファルセ
[没]1950.11.25. コペンハーゲン
デンマークの小説家,詩人随筆家。 1944年ノーベル文学賞受賞。大学では薬学を学んだが,G.ブランデスの影響で文学に進んだ。『ヒンメルラン短編集』 Himmerlandsfolk (3巻,1898) でデビュー,大胆な筆致とおおらかな精神で 20世紀文学の旗手となった。『王の没落』 Kongens Fald (1901) ,『マダム・ドラ』 Madame d'Ora (04) ,『車』 Hjulet (05) ,『エキゾチックな物語』 Exotiske Noveller (07~09) などを経て,『氷河』 Bræen (08) から『コロンブス』 Christofer Columbus (22) までの人類の歩みを色彩豊かにたどった6巻に及ぶ連作で世界的名声を得た。これはのちに『長い旅』 Den Lange Rejse (3巻,22~24) として再編された。ほかに短編と随筆を織り交ぜた『神話』 Myter (07~44) がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「イェンセン」の意味・わかりやすい解説

イェンセン
Johannes Vilhelm Jensen
生没年:1873-1950

デンマークの詩人,作家。北ユトランドの故郷ヒンメーランの素朴で不屈な農民の姿を短編集《ヒンメーランの物語》(1898-1910)にのこす。そして人類の数百万年にわたる進化論的歩みを雄大な筆致で物語る傑作《長い旅》(1908-22)をのこした。新聞記者として世界旅行中,海上から富士山を望み,《フジヤマ》(1907)と題して〈最も幸せな体験〉を語るが,その新鮮な驚きをこどもの素朴な経験になぞらえている。1944年ノーベル賞を受賞。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イェンセン」の意味・わかりやすい解説

イェンセン(Johannes Vilhelm Jensen)
いぇんせん
Johannes Vilhelm Jensen
(1873―1950)

デンマークの小説家。ユトランド半島のヒンメルラン地方の出身。コペンハーゲン大学で薬学を専攻。作家となったのちにも科学への興味を残し、人間の無限の進化に期待した。郷土作家として出発し、故郷の風土と人情をユーモア交じりに、溌剌(はつらつ)と描いた『ヒンメルラン短編集』3巻(1898~1910)で地位を確立。『王の没落』『マダム・ドラ』などを経て、『失われた大陸』に始まり『コロンブス』で終わる六巻の文化史小説『長い旅』(1908~1922)で世界的名声を得た。これは、原始時代には氷河や火山の爆発と戦い、民族移動やバイキング活動を求めていく人間の不退転の姿を描いた大叙事詩。その後では『神話』6巻が名高い。1944年ノーベル文学賞を受賞。大の旅行家で日本を訪れたこともある。

[山室 静]


イェンセン(Johannes Hans Daniel Jensen)
いぇんせん
Johannes Hans Daniel Jensen

イェンゼン

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「イェンセン」の意味・わかりやすい解説

イェンセン

デンマークの作家。自然科学を学び科学文明の将来に大きな夢をもった。郷土の農村を描いた《ヒンメーランの物語》3巻(1898年―1910年)で出発,氷河時代からコロンブスの北米発見までの人類の歩みを描いた《長い旅》など。1944年ノーベル文学賞受賞。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android