オーバーコート(読み)おーばーこーと(その他表記)overcoat

翻訳|overcoat

デジタル大辞泉 「オーバーコート」の意味・読み・例文・類語

オーバーコート(overcoat)

オーバー2」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「オーバーコート」の意味・読み・例文・類語

オーバー‐コート

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] overcoat ) =オーバー[ 一 ]
    1. [初出の実例]「気候甚だ冷に、昨夕より人皆外套衣(オブルコート)を襲ねたり」(出典米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーバーコート」の意味・わかりやすい解説

オーバーコート
おーばーこーと
overcoat

寒い日に防寒の目的で着用される外衣や外套(がいとう)のこと。保温性の高い毛皮皮革、毛織地、ウールと別素材との交織などを表地に用いる裏付きのものが一般的。形は、襟やフード付きで長袖(ながそで)、丈長だが、デザインは流行とともに変化する。17世紀に、男子の軍服や乗馬服として用いられたカザックという膝丈(ひざたけ)の上着が変形したものの一つが、19世紀にオーバーコートとしての外衣となった。その後しだいに女子もオーバーコートを着用するようになった。

 日本では、古くは羅紗(らしゃ)製の洋服用外套をさした。1782年(天明2)に漂流し、苦難の旅を経てロシアのペテルブルグから帰国した大黒屋光太夫の持ち帰った衣服を図示したなかに、「外套(かったん)」(ロシア語でカフタンкафтан)とあるのが最初であろう。福沢諭吉の1867年(慶応3)刊行の『西洋衣食住』には「上衣(おわこーと)」とあり、1878年(明治11)刊の原田新次郎の『西洋裁縫教授書』には「雨衣(おばーこーと)」とある。また1896年(明治29)刊の『日用百科全書 衣服と流行』に「オバア、コート」とあるが、陸・海軍、警察官その他の官服の規定では「外套」といい、オーバーコートとはいわなかった。

 明治から昭和の初めまで、旧制の高等学校や中学校では黒か濃紺の外套を規定していた。「オーバー」の語は、大正の中ごろから大学生や若いサラリーマンの間で用いられた。オーバーコートにかわる英語クロークcloakは、ホテルのコートの預り所をいまでも「クローク・ルーム」とはいうものの、一般には定着しなかった。

[田村芳子]


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百科事典マイペディア 「オーバーコート」の意味・わかりやすい解説

オーバーコート

防寒・防塵(じん)・防雨用の外套(がいとう)。一般には冬の防寒用をさす。ゆるやかな形が普通で,ボックス・コートプリンセス・コート,ラップ・コートなどがある。ツイード,キャメル,モッサ,モヘア,カシミアなどが用いられ,皮革や毛皮も使われる。

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世界大百科事典(旧版)内のオーバーコートの言及

【コート】より

…外側に着る同種のガウン,ローブ,マント,ジャケットなどとの区別は歴史的に明らかでないが,今日では丈の短い上衣のジャケットとは区別して使われる。一般にはオーバーコート,レインコートなど防寒,防塵,防雨または装飾としても着用されるものを指すが,モーニングコートフロックコートなどのように表着(うわぎ)化したものもある。素材,形は時代や目的,性別,流行などによって異なる。…

※「オーバーコート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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